グローブ座への招待

Jun-03-2009




 ダブセクステットへの感想メールがまだ尽きぬままに(御高評賜りまして有り難うございます。今回は特にレスポンスが熱狂的でした)もうあと3日でペペのライブがやって来ます。前回、年間スケジュールを掲示させて頂きまして、ご覧頂ければお解りの通り、今年上半期のステージアートは「ペペ(クラブ)→花と水→ダブセクステット→ペペ(シアター)」というライブ四連作がピークになるようにデザインされています。音楽は言うまでもなく、価格もロケーションもセッティングも毎回すべて変えた、あらゆるスタイルが連なる四作ですが、いよいよ来る6月5日、ペペ・トルメント・アスカラールのグローブ座公演でフィナーレとなります。

 東京在住の御贔屓筋ならば、ワタシが何故このシアターを選んだかお解り頂けるでしょう、ワタシはまだ、クラブハイツを失った事が信じられません。今でもよく、甘く苦しい夢の中で、ワタシはクラブハイツのステージに立ちます。この甘い悪夢は、おそらく永遠に消える事は無いでしょう。

 東京在住の御贔屓筋でなくとも、地図をご覧に成れば、クラブハイツとグローブ座が、ワタシの庵を中心に奇麗に対称の位置にある事が視覚的にご理解頂けます。もともとシェイクスピア劇の上演用に作られたこのシアターは、JR大久保駅から徒歩5分。以下、東京の地理に不案内な方は置いてきぼりの不躾になりますが、巷間ワタシが歌舞伎町の住人としてお見知り置き頂いておりますのは、職安通り沿いに住み、部屋が南向きなので、つまり歌舞伎町を眺める格好で暮らしている。という事なのですが、ここで言う「背後」に当るゾーン。つまり大久保界隈の事はメディアも一切興味を持ちませんし(「歌舞伎町の話を聞かせて下さい」とは1000回位いわれましたが「大久保の話を聞かせて下さい」と言われた事は1回もありません)、ワタシの方からも、時折しか言及しておりません。その「時折」が、いつ、何について書いたかは、これまた御贔屓筋ならばお解りでしょう。

 ワタシの縄張りは大きく5つのゾーンに別れています。歌舞伎町周辺、伊勢丹周辺、都庁周辺、2&3丁目&御苑周辺、そして大久保周辺です。各々の役割については、皆まで言う必要は無いでしょう。ワタシが「夜中に銃声がする」というとき、それは歌舞伎町ではありません。ワタシが夜中に散歩したりランニングしたりするとき、それは都庁周辺ではありません。ワタシが犬の肉や山羊の内臓、巨大な豚足やスンデ(血液を入れた半生の韓国ソーセージ)を喰うとき、それは伊勢丹周辺ではありません。

 ワタシの住所は大久保1丁目でして、外に出て歌舞伎町に背を向けて歩き出せば、それは大久保界隈に潜って行く事を意味しています。新宿をニューヨークに例えるならば、大久保界隈はマイクロ・クイーンズという事に成るでしょう。日本語がほとんど聞こえず、冬でも上半身裸の男達が、夜通しで肉を焼いている地区です。最近は都内では聞かなく成った「ピッキング強盗」発祥の地でもあります(ワタシは、以下のようなことを正に<痛し痒し>と言うのだと思うのですが、石原戸知事が「浄化」のターゲットにしたのは、この、明らかにゲットーが存在する界隈ではなく、歌舞伎町でした。そして、都知事の浄化政策に関する発言は総て、歌舞伎町ではなく、大久保界隈についてのものとしか思えませんでした。余計な一言を繰り出させて頂くなら、これぞインポのやる事です)。

 とはいえ、またしてもワタシは失うのです。ここも6月いっぱいでクローズ。つまり、ワタシがグローブ座で演奏するのは、これが最初で最後に成ります。ウィリム・シェイクスピアの作品を、ワタシほどこよなく愛しているジャズメンは、日本中探しても誰もいないのに、ジャニーズエンターティメントのアーティストをこれほど日常的にチェックしているジャズメンは、世界中探しても誰もいないのに、ここまで徒歩5分で行ける場所に住んでおり、そこで公演を打つ事が出来るジャズメンは、別の宇宙まで探しに行っても探しても、ワタシ一人だけしか居ないのに。なのにです。ワタシがここの閉鎖を知ったのは、ブッキングが決まってからでした(*菊地による緊急追記。大変申し訳ありません。何とこの話ガセでした。情報元はおなじみペペの影番、イントキシケイトの高見一樹氏なのですが、直接グローブ座と交渉している高見氏がワタシに報告し「ええ!ホントかよ!いきなりじゃん!」と言った所「間違いないです。サイトに書いても大丈夫です」と平然と太鼓判を押したのでやってしまいました。今後高見氏からの情報は当欄には一切掲示しないとお約束するとともに、関係者各位に高見氏は10時間、ワタシは1時間の土下座をさせて頂きます)。

 4連作の最終日にここを選んだのは、こうして故無き事ではありません。とはいえ、この界隈について、ペペ・トルメント・アスカラールの御贔屓筋に、あの店この店をご紹介するのは止めておきます。ワタシの一縷の望みは、イランイランで、ランバンで、最近増えて来た、GVGVやTOGAでお越しいただいたお客様が、早めに来た物の場所が分からなく成ってしまい、大久保通り沿いに、図らずも迷い込んでしまう事です。

 そこで皆さんが目の当たりにするのは、再びニューヨークに翻訳するならば、ラテンパワーだと言えるでしょう。ペペ・トルメント・アスカラールの音楽が、ここの所、ヨーロッパから離れ、イスラムや神道、チカーノやアジア系の人々が雑居的に住まう地域の地熱を帯びている事は、前回のオールスタンディングのギグにいらした方ならば合点承知でありましょう。シェイクスピア劇とラテンパワーが、山盛りのクラッシュアイスと地獄の用に熱いコーヒーの如く濁流する場所で、ワタシは発表以来はじめて自分で歌う曲をチョイスします。

 ワタシがオリジナルで作るラブソングは、ほとんどがエグく激しいものですが、5年前のクリスマスの為に作ったこの曲は、ワタシの作品中、もっとも純情で明るく、健康的なものだと言えるでしょう。一部の、1950年代的な言い回しを除けば、中学生でも理解出来る英語だけで歌詞が出来ている所も大いに気に入っています。ベニー・モレに捧げられ、誰の人生にでも必ず一度は神が用意しているチームタイムについて書かれたこの歌を、今回はセルフカヴァーする事にしました。残席は僅少ながらまだございます故、当日ぶらりとお寄り頂く事も充分出来ます。乱れた世での逢瀬を楽しみに、あなたが道に迷い、我々と同じ有色人種達のしぶとく生きる力と、シェイクスピアの叡智を同時に目の当たりにしたら、なかなか素敵な事です。ごきげんよう。
 

 

 WAIT UNTIL DARK
(暗くなるまで待って)

作詞作曲編曲 菊地成孔
英語対訳 大和田俊之


 
OH Please don't do that
I feel the blush in my face
You might kneel down under the light
But words of love I can not hear

ねえやめて 
ほっぺが火照っちゃうじゃない
まだチークタイムじゃないのに 跪いて愛の言葉なんて
こんな明るいライトの下じゃ 聞こえやしないわ

Since I was a child Thrillers always took place
Under the rose Didn't Mom tell you that
God is watching you from above?

子供の頃から
胸がときめく事は いつでも暗がりでこっそり
でもママが「いつでも神様がお見通し」って言わなかった?

I'm not trying To play games with you
But to be a lady This game I can't refuse

お預けを喰らわすなんて
そんなつもりじゃないけど
レディになるんだったら
それぐらい出来ないとね

So please, my dear
If you are going to say"I love you"
Won't you wait Until the
dance is over Until it gets dark

だからそう どうかお願い
あたしにイラブユーって言いたいなら
このダンスが終わるまで

暗くなるまで待って




I'm not trying To play games with you
But I didn't imagine
This game makes me amused

恋の駆け引きなんて
そんなつもりじゃないけど
やってみないと解らないものね
これ何だか ちょっと楽しい

But please, my dear 
If you want to kiss me so much
Won't you wait Until I close my e-yes 
Until it gets dark

でもだけど どうかお願い
あたしにキスがしたいんだったら
あたしが眼をつぶるまで


暗くなるまで待って
 


グルメマップ(簡易/深夜枠)

Jun-05-2009







 あと12時間で会場入りという状況ですので、終演後に新宿で旨い物でも喰って朝まで騒ごうという、遊び人の食いしん坊の皆様用に、久しぶりでお勧め料理店ガイドを掲示うので、プリントアウトしてお持ち下さい。コンサート終演後、22時前後に入店して1時頃もしくは朝まで居られる店で、ワタシが責任を持ってお勧め出来る店ばかりです。



 <伊仏>

 プレゴプレゴ

* 丸井新本店裏。ディスクユニオン新宿ジャズ館となりの4階(1階は「てんや」)。とはいえ明日の晩はワタシのコンサート流れで予約している方でテーブルがいっぱいらしく、大勢でのブラリ寄りは不可能です。カップルもしくはお一人でどうぞ。もし入店された際には「菊地に聞いたのだが、メニューにない、ブーダンノワールもしくは兎のモモは無いか」と言ってみてください。本日の魚のポワレ、トリッパの煮込みも絶品です。ワインは店長が選んでくれます。4時まで。

 ブリッコラ

* 明治通りと靖国通りの交差する地点、交番の向かいに「松屋」があり、そのとなりのビルの地下一階。おそらく5~6名でも入店可能です。「菊地のコンサートの帰りである。カネデルリを人数分出してくれ」と言ってみましょう。料理も去ることながら、ハム、チーズ、オリーブの種類と質が高く、飲み中心の方には堪えられません。ワインも豊富ですが(ソムリエが最適で安価な物を選んでくれます)、食後種の豊富さが突出しています。4時まで。

 オステリア・ビンチェロ
 
* 所謂「ぐるナビ」的な評価では、新宿で一番高いイタリア料理店です。コンサートは二の次で、ディナーが今日のメインだというぐらいの食い道楽の方におすすめです。常にヴェルディが流れ、照明も暗めの重厚な店ですが、イタリア料理オタクでであればあるほど感心するでしょう。厚生年金会館裏。2時まで。

 
 ビストロ・ダルテミス

* 北参道の高架下にあるビストロで、所謂オリーブ、フィガロ系の、文科系女子大喜び的な、お洒落カワイイ美味しいコスパ良いといった店です。サラダ、フォワグラのソテー、ブーダンノワール、カスレ等がお勧めです。ビストロ/ブラッスリー料理としては都内でも傑出したレヴェルにあると思います。1時まで。


 ラ・ボエム新宿御苑前店

* ボエムのファンの方も沢山いらっしゃるでしょう。新宿で一番良いボエムがここ、御苑前店です。天井が高く、最近のボエムのインテリアコンセプトであるオペラ座的な空間設計が生きています。4時まで。


<エキゾチック・コリアン>

 チング

* グローブ座から新大久保駅に向かい、大久保通りを明治通りに向かって左折し、左手にキリスト教の教会(右手じゃないですよ。大久保通りにはキリスト教の教会がたくさんあるので注意)が出て来たらその小道を右折して下さい。右手に、韓国のお土産屋さん兼カフェみたいなのが出て来ます。韓国式の唐揚げと味付けサムギョプサル(豚バラ)の焼き肉が名物ですが、インスタントラーメン等もあり、とにかく珍店です。4時まで。


 松屋

* チングをスルーしてそのまま進むと、左手に出て来ます。あの松屋ではなく、ソウルよりもカムジャタン(豚の背骨とジャガイモの辛い鍋)が旨いと評判の店です。民家改造型の、しかしとても広い店内はエキゾチック・コリアンの代表です。2時か3時まで(適当)

 とんちゃん

* 松屋もスルーして職安通りに出、更に進んで行くと「鬼王神社」という神社に出ます、それもスルーして一本目の左奥に、新宿リトルコリアである職安通り周辺で、もっとも旨い豚肉を喰わせる事で有名な「とんちゃん」があります。豚の焼き肉とマッコリで腹一杯に。というグループには是非お勧めです。所謂、芸能人、業界人が多くて有名。3時まで。



 <焼き肉>

 輪倶(リング)

* とんちゃんに向かわず、職安通りを渡って、職安通り沿いを右折すると左手に現れます。チェーンですが、職安通りのどの焼き肉屋よりも旨いと評判です(韓国人が経営し、韓国家庭料理がある、エキゾチック・コリアンではなく、赤坂系の日本の焼き肉屋です)。6時まで。



 <中華>

 セイコウエン

* 靖国通りから歌舞伎町にアクセスする形に視点を移した、歌舞伎町の入り口、松屋とセブンイレブンに挟まれた通りにある、いま東京で最も評価の高い「死ぬ程辛いが旨い、本格四川料理」の名店です。繰り返しに成りますが、とにかく辛い。そして旨い。一切妥協無しの四川料理です。4時まで。

(「青葉」「上海ハオツー」も朝までやっていますが、過去ログ参照ということで)


 <蕎麦>

 新宿二丁目まで足を伸ばし、しばらくうろつけば「楽庵」に辿り着きます。蕎麦とつまみと焼酎でしょう。といった御仁にはお勧めです。新宿でもっともまっとうな蕎麦屋と言えるでしょう。しかもニチョの見学も出来ます。4時まで。


 他にもサムラート新宿店(インド料理)、シャオフェイヤン(中国風しゃぶしゃぶ)、新花月(中華)、スンデ屋(韓国家庭料理)、等々、朝までやっていて、なおかつムードがあり、行くべき旨い店は他にも山ほどあるのですが、本日の所はこのぐらいで。それでは明日。明日いらっしゃらない方もいつかご利用下さい。大久保通り沿いの店は、よほど自薦にリサーチしてある店以外は入らぬ様(笑)。それではごきげんよう。

 

 

公演翌日のアンニュイ

Jun-06-2009

 

 

 







 上半期のピークとなる一種のツアーが終わり、心地よい虚脱感とともに香港に来ております。と、よしんばウソだとしてもそう書きたくて書きたくてたまらないのですが歌舞伎町におります。心地よい虚脱感の方は紛れも無い真実ですけれども。

 公演後は朝まで飲み食いし、明けて本日はNHK「パフォー!」の収録があり、半ばフラフラしながら無事にこなし(これもウソで、演奏シーン以外は完全にフラフラなので、フラフラファンの方は是非ご覧ください。オンエアは7月ですが。因に、パフォー別枠の、テリー伊藤さんと喋る方の番組は来週月曜に衛星でオンエアされます。テリー伊藤さんとほしのあきさんに挟まれているので、有名人に挟まれるファンの方は是非ご覧ください)、新宿に戻り、ユニクロでジーンズを3本買い、新宿の中の小さな香港と呼ばれる点心の名店「チャイナムーン/霞月楼」でひとり夜飲茶をし、バルト9(丸井のシネコン)で「天使と悪魔(シリーズの1と2でこんなにもタイトルの凝り方に差がある作品も珍しいですよね)」のレイト(11時からの奴)に行こうかと思ったのですが、寝てしまいそうな気がしたので次の機会にした、最近の心配事と言えば、北朝鮮よりもエールフロンセよりも、「ぜんまいざむらい」の次の「クインテット」の次の、「あさだ、からだ」からケインコスギのコーナーがなくなってしまったのではないかという事。な菊地成孔(もうすぐ46)です。ユニクロは便利ですが新宿だけで6店あるのは多すぎではないかしかしレディスのアンダーとスイムをやってくれればもっと足しげく通うけれども。いけないいささか疲れ過ぎておるようです。

 多くの感想メールを頂戴しております。届き続け、読み続けております。有り難うございます。銃声が響き、パトカーと消防車のサイレンが鳴り、少々眠く成って来ました。ごきげんよう。おやすみなさい。










菊地成孔様

○×と申します、
突然のEメールにて大変失礼致します。

昨晩のペペ・トルメント・アスカラール、グローブ座公演、本当に素晴らしかったです。

翌日になっても感激覚めやらず、不躾ながら、思わずメールさせて頂きました。

今回はめずらしく菊地様のLive初体験、ペペを聴くのも初めてという女性をエスコートして伺わせて頂き、開演直後は「楽しんで貰えるか・・・」と若干ナーヴァスになっていたのですが、そんなわたしの実にくだらない心配も杞憂に終り、皆様のほんとうに見事な演奏に彼女も陶酔しておりました。

実は私も、恐縮ながら第三期ペペ公演は初めて伺わせて頂いたのですが、ものすごいグルーヴで、大儀見さんが、なにかエクスタシーを思わせる表情で菊地様を凝視しながらパッカーションを叩く姿をななめ上方から見ていましたら、なぜかもう泣けて泣けて、握り締めていたハンケチが役に立ちました。

それから、ヴォーカル曲2曲も素晴らしくて、ほんとうに素晴らしいフィナーレでした。

終演後は「ブリッコラ」でワインとカネデルリ堪能しました。

演奏を聴いてなぜか生田耕作氏の名訳を思い出しました。

『僕の旅は完全に想像のものだ。それが強みだ。それは生から死への旅だ。ひとも、けものも、街も、自然も一切が想像のものだ。これは小説、つまりまったくの作り話だ.
辞書もそう定義している。まちがいない。それに第一、これはだれにだってできることだ。目を閉じさえすればよい。すると人生の向こう側だ。』

菊地さんは、みんなで一緒に旅しながら生活しようと仰ってましたが、もう十分にわたしたちを世界の果ての旅に連れ立ってくれました。

腐りきったこの世界でひと時の、夜の果てへの旅を、ほんとうにどうもありがとうございました。

次の公演も楽しみにしております。

では、お忙しい中、くれぐれもお体にお気をつけてください。

失礼致します。 





菊地様

ウォークマンの選曲オークションでお世話になった○×です。

昨日の公演のファンメールが殺到されているでしょうから手短にします。

今までに無くアグレッシブな構成で非常に堪能しました。

バイオリンの帽子の彼は新たなスターの誕生を思わせました。

面構えも生意気そうでイカしています。やはりカッカしているのでしょうか?(菊地注*とても穏やかです)

「ブラジル」のスレーズを演奏していらっしゃいましたが、

今度はぜひぺぺの演目として聞いてみたいです。

気が早いですが、ニューアルバムが楽しみです。






菊地成孔様

昨晩は、ヤバすぎる鳥越さんのベースとストリングスの皆様の演奏とそれに伴うリズムで、超至福にしていただき厚く御礼申し上げます。

アルコールなしで 、他もちろん何も服用せずにそうなってしまいました。もうこうなると私は前世ラテン系民族だったかもしれないと思います。

例の曲に至ってはもういてもたってもいられず原曲を家に帰るやいなやYouTubeで聴いたけど・・・昨晩の演奏す、す、すごいアレンジだなぁ、

カッコ良すぎますよ(涙)リキッドでも聴いたはずなのに昨晩の演奏はさらに私の中のラテンが騒いで止らなくなりました。

あの穏やかな中島さんのアレンジなのでしょうか?そしてそれをあんな風に演奏させる菊地さんに脱帽します。(菊地注*アレはワタシが総てやりました。フレッドフリスのギターとビルラズウェルのベースを忠実に採譜し、オーケストラに移植したのです。移植してみると全然違うサウンドに聴こえますね)

Massacar買って聞いて我慢しようかと思ったけど、もう絶対無理です。あともう12月まで待つっていうのも。なんとか音源が手にはいらないものか・・・。

名古屋か京都に行くしかないですが・・・それとて11月、できれば12月までに東京でもう一度、スタンディングのライブと、 そしてこれまた落涙してしまうほど感動した素晴らしき南さんのピアノとのDUOの再演も併せて深くお願い申し上げます。

昨晩は優雅に菊地さんの音楽を聴きにいらしっしゃったと思うお隣の席の方にご迷惑だったと思い深く反省します。

だって前回とのシンメトリーじゃなくて前回からさらに進化させてるし、本当は綺麗なドレス着て伴侶と共に優雅に 行ってみたいもんですが・・・いい年こいていつまでたっても痛いファンで申し訳ありません。

今後のご活躍を期待しています。






菊地 成孔 様

○×です。

グローブ座のペペ、とっても楽しかったです!本当にありがとうございました。

グローブ座、…負けるもんか!って感じで挑みました。

なのに!プラザ レアルの演奏と共にいろんな記憶、感情が襲ってきて、いきなり涙が止まらなくなってしまいました。

でも、ソニア・ブラガ事件が始まって、今自分が体感している素晴らしい演奏にただ身を任せればいいんだと気付き、その後はラストまで、最っ高にワイルドで素敵な演奏の嵐にひたすら熱狂して、今この場所に生きている悦びを感じまくりました!

ペペの皆様それぞれの演奏の素晴らしさ、それが重なり合い、混然一体となる素晴らしさに陶然となり、血が沸き立ち、シッティングであるのがもどかしく、踊り出したくなりました。

そして昨日の菊地さんは、なんだかいつも以上に素敵で、ヤバイくらい格好よかったです!歌も素敵でした。

ライブが終わって外に出て、もはやこの場所が何ともなくなっているのに気付きました。

見慣れた新大久保駅界隈の風景が不思議に輝いて見えました。


最高の大久保の夜会をありがとうございました!なんか夢のようです…。

ぜひまたグローブ座でやって下さい。


追伸

ライブの後、チャミスル飲み過ぎました(笑)








 菊地成孔さま

こんにちは、菊地さん。子供どころか、初孫まで出来てしまった華のサンパチ組、○×でございます。昨日の東京グローブ座のライブお伺いしました。

公演がハネた後、プレゴプレゴ→青葉→ブリッコラとハシゴをし、菊地ファンとして恥ずかしくない足跡を残してきました。やっぱりライブ後の会話は盛り上がりまくりですね。

肝心のライブの方は、間違いなくバンマスの菊地さんがMVPでしたね。MIPはピアノの林さんでした。サックスも歌も絶好調で、テナーサックスはメンテから帰ってきて、相当調子がいいように見受けられました。アルトサックスは新調されたのでしょうか? イイ感じで鳴ってました。

ヴォーカルの方もそれに引っ張られるように、わたしが聞いた中では最高の歌でした。密かに相当ボイトレされてますか?(菊地注*していません。豆ばっかり喰っています)フェイクも絶妙で、とにかくビックリしました。あまり歌が上手くなると人間性がヤバくなっちゃうんじゃないですかぁ(笑)。それともピットイン3daysのオール歌物で、密かに期するとことがあるのでしょうか。

「暗くなるまで待って」は、名前がXから始まるってだけで只者じゃない感プンプンのシオマラさんのやつは、わたしも愛聴曲でして、それこそ毎日のように聴いているのですが(この曲と菊地成孔の歌唱によるザ・クリスマス・ソングは、春だろうと夏だろうと1年中聴いてます)、昨日のペペ・ヴァージョンはヘップバーンの話も含めて、ベニー・モレに捧げられた曲だということと相まって鳥肌が立ちっぱなしで聴いていました。

わたしが小学校の時に我が家に初めてステレオ(家具調のやつでした)が来たとき、父親がマンボのレコードばっかり買ってきまして、一時期は嫌いになりそうなぐらい聴いていました。

ペレス・プラードが中心で、父は1960年の浅草東京国際劇場のコンサートを観に行ったのが自慢でした。


そうなれば当然のように自然とベニー・モレの歌声を耳にすることになるわけで、わたしがカーペンターズやビートルズを聴くようになるまで、それこそムード歌謡とマンボばっかり聴いていた、というよりイヤでも耳に入ってきていました。

普通はスタードッキリのブーブークッションとカトちゃんのちょっとだけよ、なんでしょうかね。

キューバ革命後もアメリカへ渡らずキューバに残ったベニー・モレのことを思いながら、菊地さんの歌を聴いていたらグッとキテしまいました。

こんなわたしにも、もしかしたら神様がチークタイムを用意してくれるじゃないかな、という気になりました。

毎回毎回最新のライブが1番凄いってことになると、ホントに1回も見逃せなくて油断できない感じなってます。

11月は追っかけちゃいましょうかね(笑)。 1番興味があるのはハープの運搬方法ですけど。

6月はティポグラフィカや、ジェリーゴンザレスのヤヨメクレにマイケル・ブレッカーが参加したミルトン・カンドナのリマスタ版が出たりして、こちらも油断ならない感じです。

毎回の事ながら、ほぼ徹夜のまま書いていますのでひどい文章になっていると思いますがご容赦ください。ハイクオリティなコンサートを当たり前のように提供してくださり感謝しています。

それでは、またいろいろと楽しみにしています




菊地成孔さま

 こんばんは。初めてメールします。

菊地さんの書かれる文章を読みたくて、毎日のようにサイトへ日参して内容に心打たれて「これはメールを送らねば!」と思い書くものの、拙い文章をあれやこれやと考えている内に結局出しそびれてしまうということを繰り返していました。(3月3日に書かれたものは特に響きました。私が読んだのは翌日の3月4日。私事ですが、その日は私の母が生きていれば62歳の誕生日でした。亡くなった母があまりにいい女だったので、私は臆面もなく言えば強烈なマザコンです)でも、今夜だけは遅れを取るまいとメールしています。

 リキッドの時は歌われなかったのが残念でならなかった。MCで「今日は歌いません」と言われた時「えーーーーっ」と大声を上げた一人でした。

 だから今日は聴けてとても嬉しかったです。サックスの音色もさることながら、私は貴方の声がとても好きです。

 アンコールで「恋とは何か貴方は知らない」のイントロが響き、マイクに向かったのが分かった時決して大げさではなく目眩がして気が遠くなってしまいました。

 この曲がとても好きだったので、生で聴けて本当に良かった。「Wait Until Dark」はCDで聴くと、とても中性的な声に聴こえていたので女性が歌われていると初めて知って驚きました。

 私にもチークタイムが訪れてくれるのかどうか定かではないけれど、いつか死ぬ間際でもいいから訪れてくれたら(例えボケていようとも)きっとこの曲を思い出します。

 11月の京都・名古屋は行きます!自分の誕生日をちょっと過ぎた辺りなので、自分に旅行をプレゼントします。確かに、プレゼントやご褒美は他人から貰わなければ意味が無いけれど、自分の場合は頑張るのが当たり前とされていて悲しいことに労われないのでセルフサービスです。

他にも沢山書きたいことがあるけれど、それをしたらまた出せなくなってしまうのでこの辺にしておきます。まだ胸がドキドキします。眠れないかもしれない。幸せな夜をありがとうございました。

最後に一つだけ。

これは私の願望というか、熱望です。貴方が歌われるフランス語やポルトガル語、もちろん英語もとても素敵なのですが、いつかイタリア語を歌って下さいませんか?
自分がイタリア語を勉強しているからで手前味噌なのですが、イタリア語は響きが甘く、菊地さんの声質にきっと似合うと前々から思っていました。いつか実現されれば嬉しいです。

Grazie Mille!
Tanta Felicita(あなたの幸せをお祈りしています)

con un bacione(愛をこめて)







お疲れ様でした!

今まで観たペペのライブの中で今日が一番!
と思うくらい、すっごく気持ちのいいライブでした。
終わらないで欲しかった~。

今日はあえて3階席を取ったのですが、一番前だったので、手摺が邪魔で前のめりにならないと見えないのが難点でしたが会場がそんなに広くないので、ステージ全体が近く、よく見えて演奏を見る、聴く、というだけでなくショーを観ているという感じがしてとても良かったです。

普段上から見る事の無いパーカッションの面白さ菊地さんがハンドクラップしながらリズムをとる姿躍動感のあるピアノの手の動き等々なんだか全てが音楽劇のような、今までに無い新鮮な感じがしました。

第一バイオリンの藤堂君(漢字が間違っていたらごめんなさい)(菊地注*藤堂君は退団しました・笑・吉田君です)素人が言うのも失礼ですが、とても上手な子だなと思いました。感情がとても入るのですね。クラシック界onlyより、こういう世界の子だなと思いました。

グローブ座に行ったのはかなり久しぶりで「パナソニック・グローブ座」時代にはシェイクスピアを観によく行っていたので菊地さんのHPで閉鎖という事を知ってもの凄~く感慨深かったです、アンコールまでは(笑)。いや~、がせネタで良かった。今回のタイムオーバーが許されたなら、是非またグローブ座で演奏して下さいね。

ペペの演奏が冬まで聴けないのは残念ですが、NEWアルバム楽しみにしています!

どうかお体には気を付けて。









<「テレ遊び!パフォー!」のオンエア日程>


BS版
* テリーさん、ほしのさんと出ている方

6月8日(月)22:55~23:24 BS2
6月10日(水)17:00~17:29 BS-hi(再放送)

総合テレビ版
* つるのさん、はんにゃさんと出ている方

7月11日(土)24:00~24:29 NHK総合
7月13日(月)22:55~23:24 BS2
7月15日(水)17:00~17:29 BS-hi



 <下半期の予定>

http://www.kikuchinaruyoshi.com/dernieres.php?n=090530070445





 <キャプション>


 今季よりペペ・トルメント・アスカラールのスーツも総てクールストラッティンが提供(メンズのみ。タイは自前。筆者のはディオール・オムの09新作)。


 打ち上げにて。ベロンベロン。







菊地成孔の関連サイト


<菊地成孔マネージャーの速報>
http://ameblo.jp/naganuma/
このタイトルだけだと、マネージャー個人の、毎日の日記だと勘違いされてしまう方が多いのですが(笑)、菊地成孔の仕事の情報が網羅されています(いっぱいあるのでどんどんめくって下さい)。チケットや内容に関するお問い合わせ先にもなっています。

<「服何故01」>
http://ksuque.blog.drecom.jp/archive/278
菊地成孔のモード批評書「服は何故、音楽を必要としているのか?」の映像サイト(ファンの方が作って下さいました)です。これは本当に凄い。読みながら観ると、情報量が5冊分に増え、5倍お得。

<「ダブ・オービッツ特設サイト」>
http://www.ewe.co.jp/duborbits/
菊地成孔ダブセクステットのセカンド・アルバム「ダブ・オービッツ」の特設サイトです。視聴や楽曲解説以外にも特典コンテンツ満載。




菊地成孔の連載(総て紙媒体)



<フラウ>
http://watashi-frau.com/

「菊地成孔の時事ネタ嫌い」という連載で、社会時評の真似事をしております。


<ファッションニュース>
http://www.fashionnews.jp/magazine/fashionnews/

「服は何故、音楽を必要としているのか?」という連載で、パリ、ミラノ、東京のファッションショーと、使用されている音楽との関係について批評しております(この連載をまとめた物が「服は何故、音楽を必要としているのか?」です)。


<スタジオ・ヴォイス>
http://www.studiovoice.jp/studio-voice/

 隔月で、ユヤマンこと湯山玲子さんとの対談が連載に成っています。まあ対談とは名ばかりで、ただ飲んで喰って喋っているだけの殿様仕事ですけれども(ウソ。校正がものすごく大変)



感想メール2

Jun-08-2009








 まだまだ仕事は続くというのに、やはり大仕事がひとつ終わったと身体が判断したのでしょうか、軽く風邪をひいております。ドサッと倒れるとかではない系、アンニュイ風邪ですね。愉しいものです。

 数多くの感想メールを頂戴しており、一部をご紹介させて頂きます。今年下半期のスケジュールについては前回の当欄にございます。情報公開と併せて漸次的に更新して行きますのでご参照下さい。

 クラブハイツでの演奏直後に舞台裏で「秋葉原でヲタクがナイフ振り回して何人もやっちゃったらしいよ」と聞き、とても嫌なキブンとともに「そいつは景気が良いねえ」と言いながら汗だくのスーツを着替えたあの日からちょうど1年が過ぎました。ワタシの頭の中のサウンドは更に脂がのり、磨き上けられるばかりです。ごきげんよう。









菊地成孔様


○×です。もう菊地さんをおっかけて20年になりますが、今が一番良いですねぇ。いーえ、まだまだこれからという感があるのが凄いですよ。ガイジンプレーヤーを菊地さんがプロデュースしたら、地球最強のバンドを作れると思います(ペペやダブにガイジンをいれろというのではありませんぞ)。不謹慎ですが、菊地さん、神経症→→→精神分析やって本当に良かったですね。すっかり危なっかしい人じゃなくなって。頼りがいすらあります。いったら否定されると思いますが(菊地注*しないですよ。ぜんぜんしないです)、ニューヨーク感ありましたよ今回は。ラテンとニューウエーヴで、まぁ、菊地さんがエイティーズのニューヨークでもぜんぜんおかしくないっていうか、日本で一番そうだと思いますけど。



 





○×です。

昨日のライブ、菊地さんの歌聴きたさとグローブ座が無くなると聞いて(しかもガセというおまけサプライズつき。さすが菊地さん…)(←菊地注*これはワタシも騙されたのです。しかも影番に。やられたー!当欄を一度しかチェックされない方で、ワタシが自らガセを流して、当日ネタバラシしたと思っている方がいらっしゃるのですが、そこまで悪辣ではないです・笑・影番は即刻解雇します)結局当日券で観に行きました。

ペペ、セクステット共にピアノがゴンゴンきてますよね。エモーショナル。
昨日はなんだか日本で、いや世界で一番格好良いものを観聴きしていると感じました。

3階席からでしたが、菊地さんの立ち姿もえらく格好良く男前でした。

アンコールでハンドマイクだったのがちょっと驚き。菊地さんの歌、好きなのでもっと歌ってほしいです。

新宿ピットインでの歌ナイトも聴きに行きたいものですがチケットも争奪戦でしょうし(菊地注+そんなでもないと思いますよ。いくら何でも・笑)悩ましいです。

(中略)

もうすぐお誕生日ですね。
菊地さんは年々若くなる気が。
いつか追い越してしまいそうでこわいです。笑。









菊地さん

菊地さんのライブに行くと、演奏もさることながら、有名人がたくさんいるのでぜいたく感です。一時期のピチカートみたい。昨日は相対性理論(だと思うのですが、違ったらすみません。対談されたと聞いたので、、、、←菊地注*そうです)の子たちと、あの!松尾潔さんを拝見しました。

阿部ちよねえさんのドレスがSATC並みにもの凄く、すっかり見とれてしまいました。どこのかな?(菊地注*あくまでワタシが見た限り。とさせて頂きますが、マルニもしくはジャン・バティスタ・ヴァリです。何れにせよ通常の日本人の身長では着こなせないですね)

ああいうロケーションにシアターがあるというのも面白いですね。はじめて伺いましたが、90年代バブルという雰囲気でした。

演奏と歌はもう文句無しです(会場PA に事故がありましたね。オーチャードでもあったし、、、、お払いした方がよろしいのでは?)。素晴らしい波動を有り難うございました。こんな音楽が当たり前の様に演奏されている現代の東京って凄いのかも。と改めて思いました。












菊地様

グルメ派(笑ファンですが、いやぁセイコウエンは素晴らしい。参りました。さすがセイコウが勧める店なだけに(、、、、失礼)。

菊地さんは、世界で最も音楽と食事とのマリアージュに意識的な音楽家だと思いますが、あの前夜にアップされたグルメガイドは、単に網羅的だったのではなく、ペペの音楽とマリアージュする料理が伊仏だけではないという段階に入った。という事のマニュフェストではかなったか?と思いますし、観賞後に、さっきまでの演奏の記憶を反芻しながら料理を食べると、記憶が料理によって変質して醸造される。という面白みを定着させようというマニュフェストでもあったのではないかと思いました(菊地注*仰る通りです・笑)。

それほどペペの音楽は、所謂「無国籍」であって、どの文化から照合しても、その数だけのストレンジ・エレガントを醸し出す。という万華鏡の様な効果があるのだと痛感しました。ハードコアな四川料理を食べながら噛み締める「儀式」の味は、京劇の様でしたよ。

そう思うと、オーストリア料理だったらどうだろうとか、ベトナム料理だったらどうだろうかとか、山田チカラだったらどうだろうとか、サンパウだったらどうだろうとか、いっそ菊地さんがお嫌いなラーメン(菊地注*嫌いじゃないです。滅多に食べませんが)だったらどうだろうかとか、妄想が広がり、楽しい気分になります。

乱世こそ我が出番というお言葉には偽りありませんね。菊地さんの言葉は、真っ赤な偽りか正真正銘しかありません。本当に楽しいです。有り難うございます。これからも旨いもんを喰って頑張って下さい。










菊地サン

 豆喰うと歌がうまくなるの?菊地サンの豆じゃないとだめなんですか?(菊地注*豆は関係ないです・笑・今回はこんな感じで歌おう。と、前日位に決めただけですよ)










今晩は。

先ほど東京から戻りました。今日は午前中明治神宮に行って来ました。小雨が降っていたけれどかえって空気が澄んでいて気持ち良かったです。始めて行きましたがあんな森が100年でできるんですね。

グローブ座といえばジャニーズ御用達の印象しかありませんでしたがああいう所にあるということが意外でした。年若い娘さんたちもたくさん来るでしょうに。昼間なら大丈夫なのでしょうか?(菊地注*大久保通りから職安通りの間のゾーンに紛れなければ大丈夫です)

昨夜は上手側の2列目というなかなか良いお席でした。前の方だけど斜めからなので恥ずかしくない角度で菊地さんが見られて嬉しかったです(笑)。今回初めてじっくりとストリングスの方たちの演奏を拝見しました。馬鹿なことを言いますが、弓を動かすとちゃんとその形の音がするんですねぇ。何だか凄く面白くてずっと見てました。

それより何よりとにかく昨日の菊地さんが格好良すぎて困りましたよ・・・お髭の感じといい眼鏡といい過去最高でした。完璧です(笑)。前の席で良かったと心の底から思いました。

(中略)

秋の京都でのペペもとても楽しみにしています。もちろん冬のオーチャードホールも。菊地さんは大丈夫だと思いますが秋には新型インフルエンザがまた流行るとか(先月は本当にもう大変だったんですよー←菊地注*京都の方です)。いろいろ含めてどうぞ御身お大切に。それでは。











菊地成孔様

カヒミが目当てで九段会館に行ったっきりだったんですが、そのとき、なんかあまりに毒々しくセクシーだったので、渋谷系まっしぐらのあたしはちょっと引いてしまい、あなたの「時事ネタ嫌い」だけ読んでいました。最近、職場の後輩(20代です)にあなたの熱烈なファンがいて、コンサートに誘われたので、久しぶりでペペトルメントを聴いたのですが、ぜんぜんスムースで、とてもフィットしたので自分でも驚きました。

 (中略)

CDも本も改めてみんな買いました。これからゆっくり楽しもうと思います。みんなフィットするといいんだけど、今は「スペインの宇宙食」を読んで、少し目眩がしています。これからも伺います。頑張って下さい。









菊地成孔様

 菊地さんが日本の音楽シーンが好きじゃないとしたら(菊地注*そんなことないです・笑)、誰もが安心感ばかりを求めているからだと思いました。菊地さんの音楽はとても挑発的で優しいです。言ってはいけない、知ってはいけない本当の事が書いてある本のようです。











菊地さん

セカンドバイオリンの人はSですか?それともSっぽく見えるMですか?絶対そっちでしょう!決まり!(菊地注*言えないですよそんなこと・笑)











菊地成孔さま

初めまして。

金曜日の夜、グローブ座へ伺いました。
菊地さんの演奏は、先日のキネマ倶楽部以来、二度目でした。

YouTubeにも載っているあの「ルペ・ベレスの葬儀」、ラストタンゴ・イン・パリのガトー・バルビエリを彷彿とさせるようなすごみのある演奏でした。

いや~、まいりました!

菊地さんの魅力はこの「毒」のあるような演奏なのかも。

甘さがある、演奏者の方が自分に酔いしれるような演奏はあっても、聴く者に「毒」を感じさせるような魅力のある演奏をする人は少ないなぁ、改めてそう思った次第です。

赤い照明が効いてました。出来れば、フロアが木目じゃなく、真っ黒か、ミラーになっていたらもっとすごい雰囲気だったかな、と。

いつかニューヨークのカーネギーホールで聴いてみたいものです。
ご予定はないんでしょうか?(菊地注*まったくありません・笑)
楽しみにしています。

また必ず聴きに伺います。











菊地さん

何か昨日は一段と素敵に見えたんですが、気のせい?ひょっとして菊地さん、演奏技術を上げるフリして、自分がいい男に見える様にメンバーのルックスをコントロールしてません?(笑)

ごめんなさい冗談です。ワタシはベースの鳥越くんのファンです(菊地さんは別ですよ)(←菊地注*鳥越くんは9月にピットインでやります「菊地成孔シングスオンリー」でもベースを担当します。因に他のメンバーは、坪口と藤井さんです。これは渋い)、彼はペペに入って菊地さんの音楽を吸収し、更にプレイが凄く成ったと思います。京都も伺います。良いコンサートを有り難うございました。







菊地さん

もう凄い凄い!うっっっっとりです!!アタマおかしくなりそう。。。。。

ところでタイツやレオタードや水着がお好きな菊地さんは、最近のトレンカ大流行はどう思いますか?(菊地注*もちろんとても喜ばしい事ではありますが、女性の、初夏の脚の見せ方のヴァリエが圧迫されるほど流行ってしまうとちと困ります)










菊地成孔さま


 速報、を0時ぐらいに開けたとき、『きく』というタイトルで文章が『ちです』だったのに、間違えて、もう一度、クリックしたらタイトルが変わっていてびっくりしました。


 さらに、公演前にグルメ情報も書かれていたのですね。びっくりしました。
(そうとは知らず、知人と情報の中の一店に行き、運良く座れました)

 その前、新大久保駅へ戻る途中の古本屋がまだ空いていたのでついつい入ったら、『贋作王ダリ』を発見してびっくりしました。(即購入)

 いやはや。こんないらぬメールを出す必要はない、と思いながら、やはり出さずに入られません。ぺぺ、やっぱり最高です。

 感想メールの方のように敢えて3階席に座って俯瞰で楽しみましたが(秋山道男さんがいる、湯山玲子さんがいる…とミーハーの楽しみもありましたが、本当に、小屋で観る劇ですね。面白い)願わくば、1階に広がるであろう音の振動と両方体験したかったです。


 いつかまた、九段会館でもなさってください。九段会館のあの急斜面の3階でぜひ聴きたいです。(菊地注*了解しました)

 演奏に対する感想は他の方のを読んで、それ以上は書けない、と断念しました。自分の中で言葉にならない興奮を噛み締めております。

紅葉にぺぺ。
最高ですね。
会場が気になります。
なんにつけ11月の京都は殺人的に混んでいます。
宿を取るのも一苦労です。
『そうだ、京都行こう』なんて、宣伝しなくても人は紅葉に集まります。
本当にJTBにツアーを組んでもらい、ホテル&新幹線、押さえてもらいたいです。


 何はともあれ
 とにかく、ありがとうございました。











菊地成孔様

ファンメールを出された方にもありましたが、泣けて泣けてしょうがないですし、なんでああいう音楽なのにこんなに泣けるのか不思議でしょうがないです。悲しいっぽい曲よりも、激しい曲で泣けます。

そんなステージが終わって、MCになると、汗をかいて髪や服が崩れた、ものすごいセクシーな菊地さんが、ニヤニヤしながら延々と面白いことを喋っているのもとてもおかしな気分です。こういうのがジャズということなのでしょうか?(菊地注*違います。と書こうとしたのですが、違わないかも知れないと思って来ました)











菊地さん

 歌も良かったけど最後の、舞踏会風?のお辞儀にヤラれました。何気なくふざけて出しちゃった~~みたいな顔していたけど、すっげーちゃんと練習したでしょ?(笑)(←菊地注*勿論です。歌の練習もサックスの練習もしたことありませんが、お辞儀の練習は鏡の前で足に豆が出来るまでやりましたぞ)ちゃんと爪先が立っていたので大笑いしちゃいました。ダーリンも「やっぱり菊地はキチガイだ」といって手を叩いていました。毎回やってね(菊地注*やらないです・笑)。じゃあねじゃあね。







なるちゃんへ、

 前メールに書き忘れちゃいましたが、"Wait until dark!"、とってもかわいかったです。で、あの映画は学校の帰りに通っていた高校の最寄の金沢八景の映画館でオードリーファン仲間といっしょに観ました。なるちゃんがストーリーを話している間に当時の記憶も蘇って来たのでした。皆さん仰るとおりなるちゃんのボーカル絶好調でした。それから京マチ子さんは消えちゃったけど、願わくばルペ・ベレスさんは、私の還暦の年(あと2年半)の夜まで消えないで!!





菊地さんへ

燃えました!
すっごく楽しくて。みるみる自分の瞳孔がひらいていくのがわかるくらい。
リキッドルームに続いて素晴らしい演奏を心からありがとうございます。

あの時間、演奏していくうちにどんどん菊地さんがさらにさらにカッコよくなっていくのを目の当たりにしました。歌をうたわれている時がピーク!思い出すたびにドキドキしちゃいます。声も。仕草も。

熱いピアノの林さんや笑いながら演奏しているベースの鳥越さん、うぉーーーっと叩いている田中さん、とにかくみなさんチャーミングで目も耳も忙しかったです。菊地さんの笑顔はほんとにステキ。菊地さんがお話しているとき、私の席は2列目だったので実際に近いのですが、面と向かって会話しているような気分になれて楽しくてニコニコがとまりませんでした。でも2日たった今は当たり前ですがやっぱり遠くて切ないです。
しばらくペペはおあずけですが、新しいアルバムを楽しみに過ごします。


キチガイマニュピュレーターさんが現れますように~。
すごい勢いで進化しているペペ!(私も進化しないと!小声!)

そうそう、菊地さんのライブが凄すぎて、そのあとに自分の部屋で聴く音楽に困ってしまいます。何を聴いても物足りないというか。ライブDVDが出来たら嬉しいのですが・・・あ、でも会場で体感するのが1番ですかね。いや、でも・・・あったら絶対に買っちゃう。














菊地さん


 南さんや鈴木君がいた頃のペペはエレガントで憂鬱でしたが、新しいペペは厳しくて強いですね。でもエレガントさもありますが。あたしは南さんと鈴木君の大ファンなので、菊地さんがクビにしちゃったと聴いて(菊地注*もう本当にご勘弁を・笑・断じてクビになんかしておりません。移動/栄転して頂いたのです。聴けばお解りに成るでしょうが。よろしくお願いします)もう行かないと思っていたんですが、行ったら前より良かったです。ごめんなさい。















こんばんは。

速報の写真のワインのラベル、
すっごい可愛いです。

あのお店は、ビストロダルテミスですか?(菊地注*そうです。ヴォルネイのグランシャン2005年アンリモンターギュです)

テーブルクロスもあんな色だったし、
カトラリーもあんなだったなと思いまして。。
(違ったらすみません)

わたし、ぺぺをグローブ座で拝見した翌日の昼、
ダルテミスでランチしたのです。
帰宅して、菊地さんの速報を開いたら、
おすすめのお店の中にダルテミスもあったので、
奇遇だなあ・・・とうれしくなりました。
ライブの夜には行けませんでしたけど。

私、骨の髄までオリーブ少女なものですから、
ダルテミス大好きです。
可愛い上に美味しい、しかも盛りが良いと、どの点でも好きです。


ぺぺにはリキッドルームでも
ズッキューンとやられましたけれど、
グローブ座もグサグサやられました。

今回もプラザ・レアルでウットリ、ジーーンとしびれてたところへ、
ソニア・ブラガからルペ・ベレスまでは怒濤のようでした。
「Killing Time」は特にヤバかったです。
私はかなり身を乗り出していたようで、
後で隣席の友人たちに笑われました。
私の席からは大儀見さんと田中さんがよく見えず、
いったい田中さんはあれをどーやって叩いてるんだろう?と。

大儀見さんと田中さんはほんっとにヤバいです。
第3期ぺぺ、もうメロメロです。

林さんにはリキッドルームでガツンとやられたし、
鳥越くんはおそらく既にアイドル化してるほどの存在感だし。
初めてぺぺを観た時から、この人(と林さん)は全然緊張してなさそう、遊んでるように見える、すごい腹座ってるなあ、と圧倒されてましたが、昨日は前半まで珍しく少し緊張顔、でも途中から(難題が済んだのか)俺、楽しい!演奏、最高にたのしいーー!って顔になってきたのが笑えました。彼は明るい、華のある人ですね。

グローブ座の音も、リキッドルームの音も、、
それから、キネマ倶楽部のダブセクステットの音も。
「オービッツ」のイントロからエンドまで、
今まで聴いたどれよりもかっこよくて興奮したあの音も、
思い返してまだドキドキドキドキするし、
今年は何本かしかどちらのライブも観ていないのに、
どれも鮮烈な記憶として残ってしまいました。

真夏までダブセクステットが観られなくて、
晩秋までぺぺが観られないというのは、
なんとも切ない気持ちになりますが。


グローブ座の菊地さんですが、
ここ最近お目にかかった中で、ダントツで素敵でした。
スーツもシャツもおひげも、タイありもタイなしも、
眼鏡(あの眼鏡とてもお似合いだと思います)も髪も、どれもたまんない感じでした。










菊地成孔さま

こんばんは、初めてメールします。

○×と申します。


先日のグローブ座での公演にて
初めて菊地さん(ぺぺを包含)の生演奏を体験しました!!

感想は言うまでもなく、
とてつもなく素晴らしい公演でした!!

僕は菊地さんの音楽を好きになったのは、
恥ずかしながら・・・、約一年前のフとしたことがきっかけ
(お名前は以前から知っていたのですが、ブックオフでDegustationJazaaAuthentiqueを安価で購入したのがキッカケ(新品でナクテ申し訳ナイス))なのですが、菊地さんの音楽に触れ、それ以来、菊地さんの音楽のとりことなり過去作品~新作(著書、サントラを含む)までを貪るように購入し、聞いて(読んで)いる次第であります。

(特に「ソニア・ブラガ事件」と「パリのエリザベス・テイラー」がとても大好です)



・・・と、酔っぱらった勢いでメールを書いてしまっています。

(すみません、こんなメールで・・・、
    先日の公演にとても感動してしまいまして・・・)


因みに、グローブ座での「ソニア・ブラガ事件」を体感して、
背筋から肛門にかけて、ゾワッ、としたクチです・・・。



新作がとても待ち遠しいです・・・。



(酩酊中につき(そうでなくとも)、拙い文章で恥ずかしながらも・・・、)
それでは、お体にお気をつけて.これからもがんばってください・・・。




追伸

昨日、「構造と力」を立ち読みしたのですが、
凡人の私には何のことやらさっぱり飲み込めず、
とりあえず構造主義のハウ・ツー本を買って、
通勤の電車の中で頭を悩ませております・・・ (T_T)











菊地さんへ


衝撃の演奏でした。普段、気取ってスカして暮らしておりますが(笑)演奏中に沸き上がってくるものに、自分の中にもこんな感情があるのかと。お洒落して澄ましこんで座っているけれど、実は頭の中はヤバイみたいな。自分の中の何かが目覚めたというか・・・そんな感じもありました。


色々な感情を沸き起こさせる演奏(メンバーの皆さん、本当に本当に素晴らしかったです!)は野蛮だけどとてもエレガントで、速報でどなたかもおっしゃっておりましたが、あれだけの素晴らしい演奏をなさっていても「まだ序の口、これからだよ~ん。」
と、いわんばかりの菊地さんを、恐ろしいお方だと感じたのです。良い意味で、です。

毎回最高の演奏をしていらっしゃるのに、軽々とそれを飛び越えて先へ先へと進んでいらっしゃいますが本気が全開になったら一体どうなってしまうのだろうと思いました。菊地さんは心底から芸術家なのですね。



12月まで遠いです。名古屋か京都に伺ってしまおうかと、スケジュール帳とにらめっこしております(笑)これからの菊地さんの活動が益々楽しみになりました。

私はいわゆる大陸後のファンですが、決定的となったのは南米のエリザベステーラーを聴いてからでした。それ以前からお名前は存じ上げておりましたが、とっても気になる存在なんだけど・・・近寄らない。みたいな(笑)近寄っておいて本当に良かったです。菊地さんの音楽を生で感じられて、同じ時代に生きている事を心の底から感謝しております。


次回のアルバムを楽しみにしております。(早く発売して下さい!)お忙しい中、読んで下さり有難うございました。風邪、お大事になさって下さいね。











菊地成孔さま

本当は今更ファンメールも無いと思うんですが、ファンメール大会を読むと、ビギナーの皆さんを中心に選んでいる(菊地註*天地神明に賭けてそんな事はありません。載せないで下さいというコメント付きの物を外し、個人的な話が多く書いてある物を外し、あらゆる載せられないファクターがある物を外し、読み応えがありそうな物、単純に面白いもの。を、さほど熟考もせずささっと選んでいるだけですし、ビギナーの方ばかりではありませんぞ)のではないかという気がしたのでお送りしました。菊地さんの演奏に触れて来なかった人間がいきなり菊地さんの演奏に触れたら、そりゃあ興奮して当然だと思うのです。

自分は一回目とか二回目とかではなく、大体1500回目ぐらいだと思うんですが(旧ピットインの頃から。私の知人は黄金町ジーンジニーの頃からだから敵いませんわ)、同じ事を言っていた方も(私の知ってる人だと思いますが)いますが、今が紛れも無く、一番素晴らしいですし、まだまだ次がある様に思えるのが怖いぐらいです。自分もビギナーの方々とおんなじぐらい興奮しています(今はじめて触れる。という経験は、確かに羨ましさがありますが)。

「あの頃のが良かった」と言われるのは、ある程度のキャリアがある音楽家には必ずつきまとう問題ですが(因みに自分はRCサクセションが一番良かったですし、イエローマジックオーケストラが一番良かったです)、菊地さんには全然そんな事が無いです、岩澤さんはキュートだったし、デートコースは最早伝説的ですけど、言ってみれば、古くからの菊地ファンにとっては、どれも総て菊地さんの遺伝子の出方だけであって、みんな同じだと思います。自分は個人的に、どのユニットも、終わっておらず、現在のユニットに溶かし込まれていると思ってます。

デートコースとスパンクスはおろか、ティポグラフィカ、グラウンドゼロ、山下トリオの更に以前から聴いていたファン達に名前をつけて(名コピー、「大陸後」みたいな)区分して下さい。途中脱落せず、未だに聞き続けている彼等は、みな同じ考えだと思います。よろしくお願いします(菊地注*異様な迫力に押されっぱなしですが・笑・よおく解りました。では1980年代からライブに来ていた方々は「紀元前」としましょう。ですから名乗る時は「紀元前からのファンです」としてください。たぶん地球上に5人位しかいないと思いますが・笑)。








菊地さま

 
 もー、もーもー。孤独とかマイペースとか言っちゃってー。草食系オシャレ男子でしょう~。肉食系お洒落女子でしょう~。アッパーユースの中年でしょう~。クラシックファンでしょう~。クラク君もいけるでしょう~。女流小説家でしょう~。いまどきの主要マーケぜん押さえ~。じゃないですかウフ?商売上手なんだから~(菊地注*もう本当にご勘弁を・笑・ぜんぜん売れてないです。っていうか、この話に乗るならば、一番主流なの押さえてないですよ・笑・メチャメチャ商売ヘタですよ!ヘタですってば!!)

(演奏最高でした。もっと歌ってね。愛を込めて○×)











 菊地さん


 みなさんクライマックスを褒めてらっしゃる様ですが、わたしはクライマックスも去ることながら、冒頭が本当にキました。あの、ベリオやストックハウゼン風から鮮やかに(唐突に)「はなればなれに」が始まり、切断され、またずっと沈黙と囁きが続き、再びまた(唐突に)はじまった時には、脱構築なのにうっとりとしかも泣けて来ました。

 ビメロ音響派だとかビコード進行音響派などは、脱構築にみせかけた浪花節ですし、ラウンジ派の映画音楽カヴァーは安っぽすぎます。あの晩のペペのオープニングは本物のゴダーディストとしての面目躍如だったと思います。ゴダールの映画音楽だけの演奏会、是非また開催して下さい(前回のは行けませんでした。まだ菊地さんを存じ上げなかったんです)。



著者へ

Jun-12-2009

 

 

 









 その後もファンメールを多数頂戴しておりますが(有り難うございます。総ての公演をコンプリートされた等と仰る方にはワタシの伊勢丹iカードでもお送りしようかという思いです)、アンニュイ風邪の具合も緩慢と良く成って参りまして、いつもの如く次のターンに進む訳ですけれども、ライブはスムースにマンスリーで行くとして、次に待っている大仕事は慶應大での講義録(大谷君と共著)出版と映画本(菊地の単著)出版ですので、しばし仕事の軸足を著述家方面に移す事に成ります(とはいえ、7月に入ったらペペのニューアルバムの準備に入るので、あっちゅうまにパラレルになるのですが。とはいえお辞儀の練習は欠かせませんよ。礼儀作法ですからな)。

 現在は、大谷君が上げて来た第一稿を読み、それを第二稿にする作業に入った所です。ワタシは、大谷君との共著と言わず、自分の単著と言わず、書く本が詰まらないという経験をした事が無く、オモシロ打率が極端に高い、日本一のオモシロ本書きだと自分一人だけで信じ込んでいる(全然売れないので・泣・特にサイコロとM/D)、勝ち組(現在に於ける意味ではなく原義、つまり<第二次世界大戦に勝った=負けていないという幻想を抱いたままジャングルに立て篭って勝利を祝っている日本人>のこと)のキチガイですが、今回の講義録もまた、こいつらホントバカじゃないのと思うほど面白く、とはいえ昨今の現実の速度は凄まじく、たった昨年にはエッジでキレキレだった講義録の一角が、既に現実に追いつかれて「ちょうど現状の記録」になりはじめているのには驚かされたと言うか、予想通りだったと言うか、このぐらいが丁度いいのかも知れないと言うか。

 これはつまり、例えば今都内をタクシーで走ると一番眼につくのが、うな丼の看板(ノボリ)であることは皆様ご存知だと思いますが、あれ全部、まあ、中国産でしょうなあ。そのことは全く問題ない訳ですが、ワタクシ「フラウ」で、時事ネタの連載を3年やってまして、忘れもしない第一回目のネタは「不二家の工場で隠し不祥事があって、営業が自粛される(ので、不二家のバレンタインチョコが今年は喰えない)」というものでして、その後1年間ぐらいは、ずーーっと食品衛生管理の不祥事の連鎖を扱っていた様な記憶があります。

 その間ワタシがずっと書いていたのは「この程度の事がこんなに大騒ぎに成るのは不自然/自然である。きっとすぐ、もっと巨大な社会不安が起るに違いない。現在のこの騒ぎは、来るべき壊滅的な構造不安に対する予期不安の合理化として全国民一致団結して行っている、一種の「祭り」である」という事でした。鰻(の産地偽造)というキャラクターは、その「祭り」のフェードアウト寸前の最後の辺りに登場した様な気がします。

 すき屋さんと吉野家さんのうな丼キャンペーンは、ですから、一昨年だったらちと無理だったでしょう。昨年でも無理だったかも知れない。勿論、何の隠し事も偽りも無く、公明正大なうな丼だったとしても。です。日本人はのど元過ぎればなんとやらの国民性だとか言われますが、ワタシはあのキャンペーンの看板を見ながら「食品に対する不安が止めどなく広がってしまう」という、特に何が解決した訳でも(条例の一つも生まれた訳でもない)ない、一種の症状は収まったのだ。というコンセンサスのキャンペーンだと思った訳です(この夏のうな丼を疑っている。という意味ではありません。念のため)。

 1年は10分の1デイケイドな訳ですが、昨今は1年が3分の1デイケイドぐらいになっているような気がします。あと数日で、ワタシは歌舞伎町暮らしの5年目を終え、6年目に入る訳ですが、もう、別の街です。ワタシが越して来た頃は、週末は外を歩けませんでした。ペヨンジュンさんのバッジとか写真を買う人々で職安通りが竹下通りのように成っていたからです。現在、ホストクラブの最も熱い地域は、愛角周辺からワタシのマンションの玄関先まで移動して来ているので(鬼王神社周辺)、ホスト諸氏と顧客の方々の疑似恋愛の乳繰り合いが、マンションのベランダから見える様に成っています。

 これではスローライフだとかスローフードとかスローセックスだとか言い出す商売人が現れても致し方ありませんし、それが悪いとも思いませんが、あくまでワタシ個人は、ですけれども、「発達」という、定義が難しい現象に関して、自分の発達段階を「余りに早過ぎる」から「ちょっと早過ぎる」に、そして「早いねー」ぐらいから、とうとう「ジャスト」になり、それが長く続いたあとに、だんだんと遅れ始め、「ちょっと古い」感じを経て、「何だかわからない」という存在に成る。という風にイメージしています(現在、音楽家としては「ちょっと早過ぎる」期の終わりと自己認識)。そして、生演奏(或いはラジオの生放送)という行為は、この一連の経過を、ある意味象徴的に見せる、極めて現在的な行為であって、これが書籍の出版とは異なる所ですね。著者に成る。という事は端的に言えばライブを失う。という事であって、ワタシにはとても耐えられません。著者である事の天国と地獄をすっかり味わうという没入は、ワタシにとって変装であり、半分自分に帰る事であり、そしてポリリズムを大きく失う事です(音楽にはポリリズムだらけですが)。次の著作には少々ポリリズムの導入を試みています。それではごきげんよう。

 




 <キャプション>

 深夜25時のプレゴプレゴにて。タコとつぶ貝とカラスミのジェノベーゼ・リングイネ佳品、兎と猪の盛り合わせ皿(メニュー外。内訳は兎は脇腹のコンフィ、挽き肉を入れたクロケット、もも肉にタマネギを巻き込んだプロシュート包み焼き、猪はサルシッチャと赤ワイン+血液の煮込み)絶品、グランマルニエ入りのチョコラータと、ナッツ入りのサラミに似せたチョコラータにヴァニラファッジのジェラートを添えた皿佳品。ワインはアンジェロ・デュバのティンティアラ06年。服は帽子(アヤコオクノ)と靴(モデーロ)を除き、アンダーウエアからベルトまで総てユニクロ。帽子も靴もユニクロにしたら総額1万5000円以内に収まると思う。ユニクロで固めて、お値打ちのイケてるトラットリアで食事をすると、こんなに絵に成るんだ今は。という実験結果。




 

今年下半期の予定

http://www.kikuchinaruyoshi.com/dernieres.php?n=090530070445






菊地成孔の関連サイト


<菊地成孔マネージャーの速報>
http://ameblo.jp/naganuma/
このタイトルだけだと、マネージャー個人の、毎日の日記だと勘違いされてしまう方が多いのですが(笑)、菊地成孔の仕事の情報が網羅されています(いっぱいあるのでどんどんめくって下さい)。チケットや内容に関するお問い合わせ先にもなっています。

<「服何故01」>
http://ksuque.blog.drecom.jp/archive/278
菊地成孔のモード批評書「服は何故、音楽を必要としているのか?」の映像サイト(ファンの方が作って下さいました)です。これは本当に凄い。読みながら観ると、情報量が5冊分に増え、5倍お得。

<「ダブ・オービッツ特設サイト」>
http://www.ewe.co.jp/duborbits/
菊地成孔ダブセクステットのセカンド・アルバム「ダブ・オービッツ」の特設サイトです。視聴や楽曲解説以外にも特典コンテンツ満載。




菊地成孔の連載(総て紙媒体)



<フラウ>
http://watashi-frau.com/

「菊地成孔の時事ネタ嫌い」という連載で、社会時評の真似事をしております。


<ファッションニュース>
http://www.fashionnews.jp/magazine/fashionnews/

「服は何故、音楽を必要としているのか?」という連載で、パリ、ミラノ、東京のファッションショーと、使用されている音楽との関係について批評しております(この連載をまとめた物が「服は何故、音楽を必要としているのか?」です)。


<スタジオ・ヴォイス>
http://www.studiovoice.jp/studio-voice/

 隔月で、ユヤマンこと湯山玲子さんとの対談が連載に成っています。まあ対談とは名ばかりで、ただ飲んで喰って喋っているだけの殿様仕事ですけれども(ウソ。校正がものすごく大変)




訃報と誕生日

Jun-14-2009





 数分前からいきなり沢山のメールが届きはじめ、何かと思えば誕生日でした。誕生祝いのメールを下さった皆様、これから下ろうとしている皆様、メールを送らずとも心中で、モニター前等々で祝って下さっている皆様に感謝するとともに、皆様のお一人お一人のお誕生日をお祝い差し上げます。皆様そしてワタシを生み育てた両親の存在、先祖の存在、そしてそもそも、こうして我々総て全員が、現在この世にこうして、一同に会している神の采配に感謝します。生まれるのがあと50年遅かったらならば、ワタシは21世紀初頭を、まるで20世紀初頭の様に勉強する事になったでしょう。46歳になりましたが、ワタシは誕生日にこの街に来ましたので、歌舞伎町ライフも本日より6年目に入ります。

 さて、今年の誕生日には、いきなりですが、訃報からお伝えしようと思います。ほんの数時間前、ワタシと同い年の男性が亡くなりました。プロレスラーの三沢光晴選手(プロレスリングNOAH社長)です。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090613-00000097-mai-soci

 ワタシがクレッソニエールでマコン・ビラージュを飲み、クスクスロワイヤルを食べながらデジカメで写真など撮影している間に、三沢選手は召されました。まず第一に、故人のご冥福をお祈り申し上げます。

 当欄ではこうして訃報をいくつか扱って来ました。順不同に成りますが、さっと回想するだけでも植木等氏、飯島愛氏、ウガンダ・トラ氏、テオ・マセロ氏、蒼井紅茶氏、等々。まだ記憶に新しい、忌野清志郎氏に対するものには、書いたワタシが驚く程の、多くの熱心な反応がありました。しかし、ワタシ個人が最も強い衝撃を受けたのが今回であることはーー誕生日前夜だという事を差し引いてもーー間違いありません。三沢選手はリング上でバックドロップを受け、そのまま亡くなりました。リング上、試合中の死亡事故は、力道山によってプロレスが輸入、定着した1950年代から数えても、3人目(男性では2人目)です。

 最も反応が薄い仕事が格闘技関係という状況ですので、些かなりとも故人に関する解説が必要ではないかとも思ったのですが、一切割愛し、同世代のプロレスファンにのみ届かせるつもりで書きます。ワタシにのみ特別な事なのかどうか、自己分析は不可能ですが、ワタシが「プロレスラーの死亡」に関して、悲しいだとか泣けるだとかいった状態を遥かに超えた、動揺に近い心の動かされ方をするのは、ブルーザー・ブロディ、アドリアン・アドニス、ジャイアント馬場、ジャンボ鶴田、つまり、総て全日本のイメージと重なっています。今回そこに、三沢光晴が加わりました。ワープロと言うのは恐ろしい機械です。ワタシは今、文字通り、半ば言葉を失っていますが、キー入力は出来るのです。書き終えたらワタシは、しばし呆然とするでしょう。しかし恐らく答えはシンプルだと思われます、つまり、それは文字通り、「大きな」物が失われたからである。と。

 世界は、太古から相変わらずとはいえ、最悪のニュースがこれでもかこれでもかと報じられ、また一方、素晴らしい輝きにも満ちています。しかし、命を失ってしまえば、世界自体が、少なくとも一瞬は間違いなく、その人から消えてしまう。誕生日に訃報を載せるなど、あまりよろしいことではないかも知れない。しかし多くの有識者の言葉通り、生と死は裏表でひとつの現象であり、我々は一人残らず、随分とゆっくりした、或いは急流の様な流れの中で、しかし一刻一刻と死に向かっているという、完璧な平等の下にいます。誕生と死亡は、端的に、ほぼ直接、結びついていると言って良いでしょう。

 「本日から、ワタシは人生は後半に入り」と書くのは易し、ひょっとして医学の進歩によって、結果として、人生の10分の1が終わっただけかも知れませんし(460歳これはヤバい。是非演奏が出来る様にいたいものです)、明日死んでしまうかも知れない。やりたいことをなるべくやりたいだけやる。どんなことであろうと総て楽しむ。だめだったら適当に流す。という事以外、生活信条や俗流哲学の類いをほとんど持たないワタシですが「生き死にについて、そんなに深く考えない(だって、考えたってしょうがないじゃない。どうせなるようにしかなんねえんだし)」という事だけは厳然/漠然と貫かれております。

 とはいえ、だからこそ、ブルースは計り知れない。家族やファンの心中、小橋選手の、高山選手の心中、「NOAHだけはガチガチ」という、美しい信仰を持つ人々の視線(現場には、2300人のファンがいました)。バックドロップを放った相手選手に、僅かでも移入するならば、たちまちロバート・ジョンソンのエゲつないギターが聴こえて来ます。しかし、そういったもの総てが、われわれを強く(ブルース信仰に従うならば「否が応でも」)生かしているのです。官能と憂鬱は、恐怖と歓喜は、詰まるところひとつなのです。

 毎度ながら、不謹慎を承知で申し上げるならば、ワタシは、こうして誕生日の前夜に三沢選手がリング上で亡くなった事を、言葉を失いながらも尚、悲しいとは感じません。「え?本当?」と言って迎えた誕生日は、ある種異様なまでに生き生きとしています。故人の誕生日は6月18日です。彼が銚子だったら、或いはワタシが北海道だったら、同級生だったろうな。バンプを取った瞬間、去来した物は何だったのだろうか?幸福と不幸という区分は、生と死という区分は、どの瞬間からどうやって完全にひとつになったのだろうか?不謹慎は限界を超え、ゾクゾクするほどです。我ながらどうかと思います。回向でも手向けでも、合理化でもないと信じたいのですが、ワタシは故人の死に様は美しいとしか思えません。

 こうして書いている最中も、メールは届き続けています。誕生祝いのメールを下さった皆様、これから下ろうとしている皆様、メールを送らずとも心中で、モニター前等々で祝って下さっている皆様に感謝するとともに、皆様のお一人お一人のお誕生日をお祝い差し上げます。皆様そしてワタシを生み育てた両親の存在、先祖の存在、そしてそもそも、こうして我々総て全員が、現在この世にこうして、一同に会している神の采配に感謝します。少なくとも一人は亡くなりましたが。生まれるのがあと50年遅かったらならば、ワタシは21世紀初頭を、まるで20世紀初頭の様に勉強する事になったでしょう。46歳になりましたが、ワタシは誕生日にこの街に来ましたので、歌舞伎町ライフも本日より6年目に入ります。日頃からの御贔屓に感謝致します。これからもご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い致します(ウインク)。

 

 

 

著者業オンリー、3日で終わり

Jun-16-2009

 







 誕生日から一日過ぎたら、またしても同い年の男性であるテッド・タナベ氏(大阪プロレス・レフェリー)が試合後に急死しました。ご冥福をお祈り申し上げます。

 ワタシは「サイコロジカル・ボディ・ブルース」に収録された97年度当時の原稿にも書きましたが、天竜革命以降の全日本プロレス(NOAHと直結している方)は明らかに過労死/消耗死を志向し始めており、それは突然死の頻発、といった急性の顕在化を見せるかも知れないし、平均寿命が下がる。という風な、長い時間をかけた慢性の顕在化を見せるかも知れないが、何れにせよストレートに過労/消耗死を志向しているプロレスこそがーー恐らく、長生きするであろうーーアントニオ猪木のトリックスター的な名言であり、つまりは大ハッタリである「こんなことをしていては、10年保つ身体が5年しか保たない」という台詞を現実の物とする、偉大なる沈黙の営為であった。と思います(テッド・タネベ氏は全日本育ちではなく、心臓に古くから持病を抱えていたので、ここ数日のワタシのコンテキストからは外れますが)。

 このことはもう、恐らくネット内のそこかしこで話題になっているでしょうけれども、これはフライング気味の確信犯的暴言とか、妄想自覚の不謹慎なロマンティークなどではなく、ワタシは正に愚直に、確信に満ちて、三沢選手とテッド・タナベ・レフェリーは、ミッキー・ローク/ダーレン・アレノフスキーの「ザ・レスラー」を命がけのガチで潰しにかかったのだ。と、心から信じています。ワタシの予想では、三沢選手はあの映画を観ている筈です。そして、公開日に、まるであの映画をノックアウトするようにして亡くなったのです。

 まだ発売されておりませんが「kapipro」の次号ではこの映画の小特集が組まれ、ワタシははっきりと「決して悪い映画ではないが、こんなに賞を獲るべき映画ではない」「ベネチアで、あのロック好きオタクのヴェンダース審査委員長が、この程度のブルースで大はしゃぎしてしまっただけだろう」「ダーレンアレノフスキー(監督)は、90年代は、悲惨でエゲつなければ何でも良い、ノイズ・オルタナ野郎だった癖に、改心して純愛ものとかコレとか作ってるが、はっきり言って単なる反省的な転向であって、プロレスをだしに使っているだけの薄っぺらさを感じざるを得ない」旨、はっきり発言しています。もとWWEの一軍選手だったTAJIRI選手は、あの映画を「プロレスを不当にどさ回り的に描いている」ので認められない。という発言をされているそうですが、日本のプロレス界は、あの映画の、どうにもこうにもスッキリし切れない部分に対して、というアングルからも、三沢選手とテッド・タナベ・レフェリーを誇りに思う事が出来るでしょう。世界中で、あの映画に、命がけで(しかも最速で)反応したのは日本人だけなのです。

 と、「どうしてもこれは発言しておかねければ」という闇雲な義務感から、公開が始まったばかりの新作映画について、悪口でもあるかの如き発言をしてしまいましたが、ワタシはこの映画を非難する気はまったくありません。今回の、余りに強烈すぎるシンクロニシティに関して、自らの解釈を述べただけです。詳しくは「kamipro」をご覧ください。

 とさて、前々回の当欄に書きました通り、現在、慶應講義録と映画本の著者として本を書きまくっていますが、やはりワタシが100%著者として暮らす事の上限は、僅か5日ほどであって、あっという間にペペのニューアルバムの準備、ファッションニュースの最新号の為の取材(パリ&ミラノのレディス)をはじめ、何よりも、今年もやって参りました「野宮真貴リサイタル09(仮題)」の音楽監督としての仕事が著者としての仕事と並走を初めてしまいました(試しに専業著者を半年位やったら一体どうなるのだろうか)。

 こちらは総合プロデュースにユヤマン、演出に林さん、振り付けが横町さんというロマンチカ組、という毎度おなじみの面子に、今回は、元FUTONのももこさんがチームに加わって頂き、音楽監督のワタシとタッグを組んでくれる事になっています(変わらず男性はワタシだけのチームですが)。ワタシとももこさんがタッグを組むと言う事は、これはどう考えてもエイティーズ・リヴァイヴァリーなエレクトロ・サウンド満載のリサイタルに成る事は間違い無いでしょう。既に音源のやり取りをしています。今やブラックアイドピーズの最も売れるシングルでさえエレクトロになってしまった昨今ですが、ブラック系抜きの、純正ニューウェーヴ志向のエレクトロ(ロボ声もなし)をやるのに、野宮-菊地-ももこという組合わせは、かなりバッチリなのではないかと思われます。今年は1夜公演9月22日のみとなり、場合によっては、ワタシもももこさんも、野宮さんのバックバンドとしてステージに上がるかもしれません。お楽しみに。明日は渋谷で「パンドラの匣」マスコミ披露試写のイベントに、窪塚洋介さん、川上未映子さん、仲里依紗さん、染谷将太さん、冨永監督と共に出演して来ます。それではごきげんよう。 
 


菊地成孔の関連サイト


<菊地成孔マネージャーの速報>
http://ameblo.jp/naganuma/
このタイトルだけだと、マネージャー個人の、毎日の日記だと勘違いされてしまう方が多いのですが(笑)、菊地成孔の仕事の情報が網羅されています(いっぱいあるのでどんどんめくって下さい)。チケットや内容に関するお問い合わせ先にもなっています。

<「服何故01」>
http://ksuque.blog.drecom.jp/archive/278
菊地成孔のモード批評書「服は何故、音楽を必要としているのか?」の映像サイト(ファンの方が作って下さいました)です。これは本当に凄い。読みながら観ると、情報量が5冊分に増え、5倍お得。

<「ダブ・オービッツ特設サイト」>
http://www.ewe.co.jp/duborbits/
菊地成孔ダブセクステットのセカンド・アルバム「ダブ・オービッツ」の特設サイトです。視聴や楽曲解説以外にも特典コンテンツ満載。




菊地成孔の連載(総て紙媒体)



<フラウ>
http://watashi-frau.com/

「菊地成孔の時事ネタ嫌い」という連載で、社会時評の真似事をしております。


<ファッションニュース>
http://www.fashionnews.jp/magazine/fashionnews/

「服は何故、音楽を必要としているのか?」という連載で、パリ、ミラノ、東京のファッションショーと、使用されている音楽との関係について批評しております(この連載をまとめた物が「服は何故、音楽を必要としているのか?」です)。


<スタジオ・ヴォイス>
http://www.studiovoice.jp/studio-voice/

 隔月で、ユヤマンこと湯山玲子さんとの対談が連載に成っています。まあ対談とは名ばかりで、ただ飲んで喰って喋っているだけの殿様仕事ですけれども(ウソ。校正がものすごく大変)



パンドラの匣

Jun-20-2009
 


 桜桃忌に際しまして。という訳でもありませんが(それほど太宰ファンではないので。というか、そもそも無頼がさほど好きではありません)以下のサイトをどうぞ。音楽監督であるワタシが一般紙のカメラフレームからはじかれるのは致し方ないとしても、監督である冨永君が、ワタシよりもはじかれているのはどうかと思います(笑・当然かな。とも思いますが)。

http://mainichi.jp/enta/geinou/news/20090616mog00m200052000c.html

http://cinema-magazine.com/program/blog/?blogid=1836

http://www.hollywood-ch.com/news/09061703.html

http://news.pia.jp/pia/news.do?newsCd=200906160006

http://mainichi.jp/enta/geinou/graph/200906/16_4/


現在はどういったシーズンかと言うと

4)慶応大の講義録(8月出版)の執筆を毎日しながら
5)連載と授業を総てこなし
6)ぺぺのニューアルバムの作曲をしながら(求人広告にご応募下さった皆様。御陰さまで適正者と思われるキチガイが見つかりましたの。皆様へのお返事は後ほど、お一方お一方全員に差し上げます。有り難うございました)
7)野宮真貴さんのリサイタルの準備を進め
8)その他、主にテレビだけれども、イレギュラーに来ている出演依頼を全部受けた。

という、我ながらなかなかナイスな季節におります。毎度ながらどの仕事にも一切手抜き無し、自己模倣無しの絶好調です。と、いきなり書く事がなくなったので(ずっと本を書いているベースなので)、慌てて一般ブロガーの方の様なことをしてしまいますと、今日は4冊つまみ読みました「芸者論~神々に扮する事を忘れた日本人/岩下尚史」「春の祭典~第一次世界大戦とモダンエイジの誕生/モードリス・エクスタインズ」「フロイトのメタファー~精神分析の新しいパラダイム/ドナルド・D・スペンス」「毒の文化史~古代のキノコ毒から、公害の毒まで/杉山二郎、山崎幹夫」ああ面白かった。もっと面白い本にしなければ。それではごきげんよう。



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ビリージーン

Jun-26-2009




 「言葉も無い」という慣用表現がありますが、おそらく生まれて初めて、その状態の中におります。それでもこうして、キーパンチは出来ると言う事実に、彼が生きた時代。つまり、多くの消費者が皆キーパンチによって言葉を吐き出していなかった時代への、追慕ばかりが駆け巡ります。ワタシは今、端的に申し上げて、泣いています。慟哭が止まりません。どうしたら止まるかも解りません。世界中の人々とともに、総ての宗教的な領域を超えて、共に喪に服そうとおもいます。21世紀が本当にやって来ました。











   <2時間後の追記>


 本当になにもかも出来なくなってしまいました。これはきっと、(まだ生きていたとしたら)ケネスアンガーも、秋山成勲も、Will A,Mも、ハーモニー・コリンも、ジャービス・コッカーも、リズ・テーラーも、彼の事を知っている人々はみなおなじでしょう。ワタシは彼の事を知っています。誰もが知っている事とおなじことを。すべて。

 訃報を聞いてから鳴り出し、未だに頭の中でずっと鳴り続けている曲の歌詞を、写経の代わりに書き写し、頭の中で訳されている日本語も書き写してみました。1970年に、全米で1位になった曲です。もしこれが選曲行為であるとするならば、ワタシは故人にこの曲を捧げます。記憶違い、訳し間違いの指摘はご容赦下さい。







(Thy long to be)Close to you



Why do birds
Suddenly appear?
Everytime You are near

Just like me
Thy long to be
Close to you


Why do some
fall down from the Sky?
Everytime You walk by

Just like me
Thy long to be
Close to you

On the day that you are born
The angels got together and decided
To create a dream come true
So they sprinkled moondust in your hair
And golden starlight in your eyes of blue
  

That is Why
All the girls go down
Follow you all around

Just like me
They long to be
Close to you
 
woo Close to you
woo Close to you
 



あなたがあたしの隣にいるとき
気がつくといつも小鳥たちがいるね

そうか あたしとおんなじだね
あなたのそばにいたいんだね



あなたがあたしの前を通りすぎるとき
いつも空から
星が降って来るね

そうだ あたしとおんなじだね
星だってあなたのそばにいたいんだね




きっとあなたが生まれた日は
天使たちがみんな集って 彼等の夢を叶える事にしたのよ
それであなたのブロンズの髪には星屑を
蒼い目には星のきらめきを散りばめたんだわ




だから

当たり前よね
この町の女の子がみんな
憧れのあなたを追いかけまわすのは

あたしとおなじだね
みんな 憧れのあなたのそばにいたいのよ

あたしとおなじだね




みんながあなたのそばにいたい

 

 

パンと葡萄酒とチーズと執筆(と「M/D」の行方)

Jun-30-2009

 

 

 







 途中に誕生日を挟んで3つも訃報が入り(ファラ・フォーセットーーー当時はファラ・フォーセット<メジャース>の、「サンバーン」のポスターを部屋に張っていただけでなく、あの映画にはワタシのフェティッシュが余りにもたくさん、しかも高品質で詰め込まれていて、何度自慰行為に使い、その度に同時に恋したことか、貴族的な修辞でそれは、微笑ましい程の回数。だったと思います *追記/ピナ・バウシュさんがさきほど亡くなりました。ご冥福をお祈り申し上げます)、一瞬だけ中断していた慶應大学での講義録ですが、先日第一稿を提出し終えました。未だに重い喪の作業が続いていますが、喪の作業が重いのは健康的な事であります。UAさんから頂いたアフィネ・オウ・シャブリを彼女が焼いたパンに乗せ、「花と水」のA&Rであるワイン通、阿部氏(この2人は、あらゆる意味で、本当にお洒落)から頂いたクロ・ド・ヴージュの96年を飲んでいますが、我が国が誇るディーヴァが焼いたパンも、ブルゴーニュの心臓部から届けられた逸品も、とても美味しく、一瞬恍惚とするものの、いつものように、宇宙の袖に触る程は酔い切りません。

 しかし、父を失った時は、いつ喪の作業に入ったかも解らぬまま、完全にうっとりとして、つまり食べ物の味は総て消えてしまい、気がつくと体重が40キロになっておりましたので(「デギュスタシオン・ア・ジャズ」のジャケット写真はそのときに撮影された物です。因に現在は58キロ)、こうして胸が重いままでも、目頭が痛いままでも、パンと葡萄酒とチーズがこれほどまでに美味しく、現実感と非現実感がこれほどまでに程よくシェイクされているのだから、誕生日の前後に大きな訃報があるというのも、ある種の乙だと考えられなくも無いだろう。などと呟きながら、続けてUAさんから頂いたシャビシュードポワトーを今度は彼女が焼いたケーキに乗せ、阿部氏から頂いたシャンボールミュジニィの96年を飲んでいます。世界で最もフェミニンだと目され、ロバート・パーカーに<完全なシルク>と評されたルビィ色は、開いても開いても、ほぐしてもほぐしても、美しく微笑んだままで、あっという間に喉の奥に消えてしまいます。それでも、泣き腫らした喉に軽くチクリとします。

 慶應の講義本は、これからゲラになり、大谷君と最終チェックをして、8月に出版されますのでどうぞお楽しみに。そして一方、これが今回の、メインの話題とも言えるのですが、皆様ご存知の通り、エスクアィア・ジャパンが解散しまして、「M/D~マイルス・デューイ・デイヴィス3世研究」は、その後いろいろあったのですが、結果としてが現在、以下の様な状態に成っております。

1)エスクァイアは会社の解散に伴い出版権を放棄。これにより、「M/D~マイルス・デューイ・デイヴィス3世研究」は他の出版社から出版することも可能になると同時に、次の出版社が決まるまでは事実上の絶版となる。

2)在庫に関しては、既に各書店からの在庫の引き上げは終了しているため(引き上げた物は、資料用の保管冊数以外は裁断)、書店もしくは流通で意図的に在庫を残しているところ以外での入手は非常に困難。

3)また、今後の客注の対応もないので、要するに、エスクアィアが出した、あの判型の「M/D」は、<現在店頭に並んでいるものしか無い>という状況。

 言わば、あのレンガの様な大著が現在<在庫一掃早いもん勝ちセール中(店頭にて)>なのだ、という事でありまして、セール中といっても、特に安く成る訳でもオマケが付く訳でもありませんので、著者としましては、そうですなあ、まあその、御興味のある方は、本自体もしくは、出版権なども、よろしかったら買ってはくださいますまいか(笑)などと申し上げる以外ないのですが(出版権が移った場合は、判型も形式もどうなろうと一切構いません。文庫の上中下巻はもとより、活字を大きくして更にアレよりデカく、「エルブリの一日」みたいになっても、辞書編纂部に引き取られて辞書そのものの形に成っても、パラパラ漫画になっても、脚本になって宝塚でミュージカル化されても)、我ながらさほど詰まらぬ本だとも思いませんので、ご一考頂ければと思います。

 明日よりペペ・トルメント・アスカラール、セカンドアルバムの製作開始(先ずは作曲)と野宮真貴さんのリサイタルの音楽監督業務(先ずは全体会議)と、やや大きめのテレビ番組(「パフォー!」ではりませんが、またしてもNHKです)の打ち合わせが、連載と先生業というレギュラー仕事に被って来ます。先日、「一般の方のブログのようだけれども」というエクスキューズ付きで、今読んでいる本。を書いたら、異様に反応が良かったのでまたしても書きますが、本日(周辺)は「魅惑という名の衣装~ハリウッド・コスチューム・デザイナー史/川本恵子」「シネキャピタル/廣瀬純」「法と芸術~著作権法入門/小笠原正仁」を平行して読んでいます。面白い。しかし、ワタシと大谷君の慶應講義録も面白い。こんなに面白く、そしてやや頭のおかしい本を書いているのに、胸の痛みは消え切りません。ブリッコラではアンティパストに兎のマリネ、セコンディには最新の豚(どんどん移り変わるので)のグリッリアにパターテを添えて、プレゴではアンティパストにサルシッチャの煮込み(羊、鶏、豚とありますので、羊を選びましょう)、プリモにはガンベロ・オーリオのスパゲッティーニをどうぞ。そしてクレッソニエールには、渋谷「カウベル」からムッシュ北野が凱旋して来ます。ごきげんよう。








 <キャプション>



 関係者各位、並びにトラットリア、ビストロからの誕生日祝いの品々自慢。皆様ありがとうございます。ワイン通阿部氏からのクロ・ド・ヴージョ96年、シャンボール・ミュジニィの96年、プレゴプレゴ様からのマストロベラルディーノ・タウラージ・ラディーチ04年、渋谷コンコンブル&カウベル&新宿クレッソニエールの総支配人、杉原氏からのレ・フォール・ド・ラトゥール04年、UA様からのアソートフォルマージュと、手製のケーキとパン(出産祝いと誕生祝いのお返し)「パンドラの匣」スタッフからの巨大な花束。花束は腐食し、乾燥し、粉化し、風化して完全に消えてなく成るまで飾るのが筆者の流儀。エロやセクシーを超えて、無常観に至る。


 ガンベロ・オーリオのスパゲッティーニ。ガンベロ・オーリオは大正蝦を中心に、複数の蝦の殻や味噌のエキスをオリーブオイルに移した物で、中華料理の蝦油(シャーユー)にあたる。ガンベロオーリオは金子シェフの力作で、ズッパで香り高いスタイルの石黒店長版も素晴らしいが、エキスをパスタに含ませて閉じ込め、最後に再びオイルで表面をコーティングした、縁日のヤキソバ風にドライな富博氏バージョンは、楽しくかつ郷愁をそそり、筆者は週に3皿喰ってしまった。菊地のサイトで見たがルガーナの白があったらくれ。と言うべし。

( いきなりですが、プレゴをからイタリアに旅立った、小久保くんのイタリア放浪ブログ。この店すげえなつかしー!!)

http://kkb-affascinante.blogspot.com/2009/06/blog-post_4328.html




 歌舞伎町まっただ中の寿司屋にて。良い店だが紹介出来ない。理由は言わずもがな。マイケルの追悼に本鮪と岩ガキとミルガイで久保田を4合

 



 
 

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