水
08
2月
2012
今、生まれて初めて「ボーカロイドを誰(どれ?)にするか選ぶ」という事をしています。勿論つぎのDCPRGのアルバムにフィーチャーするからなのですが、音楽に関する事でここまで悩んだ事はかつてなかった、というほど、本当に迷っています。誰にしたら良いのだろうか(呆然)。
SIMI LABへのオファーには全く迷いはなく、USオーヴァーグラウンドからの夢の様にリッチな選択肢や、自らコラボを希望してくれたホゼ・ジェームスの申し出を却下(単なるスケジュール上の事で、我々にはネクストタイムがあります)してまで、まったく知己もない相模原アンダーグラウンドの若者(彼等は、我々の息子と言っても良い年齢なので)にオファーして良かったと思っています。多くのヒップホップクラスタと同様、ワタシも彼等が「WALK MAN」をYOU-TUBE上にドロップした瞬間から打ち抜かれており、いつかコラボしたいなと思っていましたが、こんなに早くその時が来るとは。という奴です。今年で40年の歴史を誇る名門インパルス!に、初の日本人作品として、我々の演奏以外にも、SIMILABの日本語ラップとボーカロイドが参加するという訳ですね。
法務の問題さえクリアすれば、アミリ・バラカ(リロイ・ジョーンズ)も参加します。既に録音は終わっており、許諾を待つだけですので、我々のファンの皆様に於かれましては法務上のクリアを祈っていて下さい。
更に、SIMI LABよりもフレッシュなHIP HOPクルーも参加します。MC YOSIO*OとMC KIKUCHIによる、先日正式に結成されたばかりのアブストラクト・ジャジー・ヒップホップのチーム「ジャズ・ドミュニスト(正式なスペリングは未定)」が「キャッチ22」をバックトラックにイル極まりない左翼美声ジャズラップをアメリカのマーケットに叩きつける形でデビューする事に成りました(プレデビューは「HOT HOUSE」のトレーラーや「粋な夜電波」の少女時代特集&ヒップホップ特集で済ませています)
つまり、アミリ・バラカがクリアーされれば、次の我々のアルバムは4チーム8名のヴォイスをフィーチャーしたアルバムと成ります。アルバムタイトルを、ウニヴァーサルの広報に内緒でフライングしますが「THE SECOND REPORT FROM AIRON MOUTAIN」つまり、ファーストアルバムの対米仕様型の再生という事に成ります。フィーチャー陣から、いたずらにセンセーションを狙ったように見えるかもしれませんが、ワタシがこの10年間にずっと続けていた事を最新型にブラッシュアップして世界にリプレゼンテーションしているだけだという事は、お聴きになればどなたにも首肯頂けると思います。
4/12のスタジオコーストについて。交渉中だったキラースメルスの参加が決定しました。ゲットーブラスター&エレクトリックアコースティックギターの弾き語りか、DCPRGがバックバンドを務めるかという重要な一線はまだ交渉中ですが、当日は「タラード1&2」(2in1のCD。ビュロー菊地レーベルより)をキラースメルスの末端構成員、菱田エイジ氏がサイン付きの手売りで販売します。SIMI LABとの共演はSIMI LABのナンバーも含め、複数曲に成る予定です。SIMI LABのファンの方々も是非お越し下さい。
現在、このアルバム制作のラストスパートに入っており、川勝さんへの回向という望まぬ強いモチベーションも含めて、ビッチビチにコンセントレーションしている、と言いたい所なのですが、例によって大仕事を二つ同時に並走しています。もう一つの方は、情報解禁がならず、ここではまだ書けませんが、書いたら、場合によってはDCPRGのアルバムよりも衝撃波が走るかもしれません(ヒント。初めてやる職種の音楽監督)。こちらも、川勝さんが聞いたらあの小さい瞳孔が半開きに成ったに違いありません。情報公開をお待ちください。
昨年、傘寿をむかえられた相倉久人先生に粗品を付け届けた所、直筆の礼状を下さり、恐縮しきりですが、書かれていた日付が、偶然にも川勝さんの命日で、何とも言えぬ気分です。ワタシにヒステリーを起こした(というか、大谷君と一緒なのだけれど、何故かヤラれる時はワタシ単体になるので、大谷君はワタシ以上に老人に可愛がられる性を持っているのだなと思うことしきりです)寺島靖国先生も、闇討ちでワタシを背中から斬りつけるというご乱心の中山康樹先生も大変お元気で、ワタシを大層可愛がって下さった清水俊彦先生や平岡正明先生、そして川勝さんまで亡くなって、非常に旗色が悪い昨今ですが(笑)、相倉先生の直筆そして瀬川先生のスマートなステップによりグッとナイスフィールです。
勿論コレは、敵味方といった威勢の良い話ではありません。良い子ぶる訳ではありませんが、お誉めに預った先生方も、お叱りを受けた先生方も、同じ小さな方舟のクルー、一時的な諍いなどは元気の賜物です。ワタシはフロイディアンを公表しながら、こうしていざとなるとユング的な集合無意識の産湯という巨大な温泉に、自分の人生の登場人物が全員で浸かっているというイメージを抱き易く、これは映画「8 2/1」に描かれた一種の病理ですから、まあ、あまり精神衛生的にはよろしくないとはいえ、何せ生まれて来たのが遅く、祖父母を一人しか知らない(その、母方の祖父もワタシが8歳で亡くなりましたので)という属性により致し方無し。とフロイドの考え方で合理化しています。
せっかくHIP HOPクルーとしてインターナショナルサイズでデビューする訳ですから、ビーフのひとつも出来ないというのは、何の為にガキの頃から毎晩自宅で拳骨や血飛沫ばかり見て来たのかねというお話ですから、なるたけ精進しようと思うばかりです、「余裕ねえぞジャズ喫茶世代。あっかんべーだ」ぐらいでは、外野が見たならなれ合いです。しかし、スカートをめくられた大正時代の女学生の如く半狂乱に成られた寺島先生に対して、平岡先生が我々(平岡先生は、ワタシと大谷君を分離しませんでした。当たり前の事の様ですが、素晴らしい男気とリベラリズムです)を庇って下さった。庇って下さったのは良いが、マルキストの平岡先生は三度のメシより喧嘩が大好きで、我々をダシに寺島先生に喧嘩を吹っかけたので、引きずり出される様な恰好で(笑)ワタシが仲裁に入る事に成った。「毒血と薔薇」という本のあとがきの顛末。あの時ワタシは、本当に楽しく、両先生に心から感謝してしまいました。吉祥寺に殴り込みにでも行くべきだったのに関わらず。です。3年前のあの楽しい夏のことは、一生忘れないでしょう。
平岡先生も川勝さんと同じ、呵々大笑がお似合いになるダンディでした。平岡先生は「おまえの前衛は芸能だから素晴らしい」と仰り、清水先生は「君の芸能は前衛だから素晴らしい」と仰いました。ワタシは英語をたどたどしくしか喋れない新宿在住の黄色人種として、アメリカが抱えている問題を前衛的に、そして芸能的に撃つつもりです。昨日今日ターゲットしたものではない。ユング的には、生死を問わず、総ての先生が見ていて下さる気分です。この作品にも、ド素人からド玄人まで(しかも、世界中で)、様々な難癖がつくでしょう。ケチつけやがったら殺す。ぐらいの気構えで行かないといけないのでしょうが、思い浮かぶのは諸先生方の笑顔ばかりです。
インフルエンザが猛威を振るっています。長沼の息子と、坪口と、エンジニアの赤工くんがヤラれました。手を洗いましょう。ワタシなど手を洗いすぎて手相が薄く成ってしまうほどです。3/11によって我々が忘れ去ってしまった、WHOのトップがアジア系である事を我々に知らせしめたあの恐怖の記憶「パンデミック」が、いま現実に成ろうとしているのかもしれません。栄養を取りましょう。写真はブリッコラがシーズンで出している猪のハム。アリアニコと合わせて超絶品です。ブリッコラはパーネのコンディションが開店以来もっとも高いレベルにありますので、ハムサンドとグラスの赤だけで昇天。そしてDCPRGのレコーディングスタジオは早稲田のアバコスタジオ。ここは結婚式場で、昔日ワタシはここで熊の着ぐるみで踊りながらPVというものを撮影していました。「空飛ぶ花嫁」という楽曲だったからですが、嫌に鼻水が出るなと思ったら、テメエが踊っているのが杉の巨木の下。それは兎も角、撮影中、まだ今の半分も普及していない携帯電話がそこら中で鳴り響き始め、大騒ぎに成りました。その日、ワタシを集合無意識という産湯から突き落とす様にして、オウム真理教による地下鉄サリン事件が起こったのです。