火
17
1月
2012
一応個人事務所の代表となった(名刺上の肩書きは「代表/representant」このPCだと印字しないが、二つ目のeの上にアクサン・デギュ)という事で、まあ事務所の車も購入しましたし、銀行口座も新しく作りましたし、事務所も無事借り(ワタシのマンションからほんの僅かの距離ですが、建物のヤバさ10倍で、あんまり良く知らないで言ってますが「探偵物語」とか、そういう趣です。何せそのビルの2〜3階が、、、、まあいいや)、あまつさえマネージャーと二人でIKEAの港南店に行きまして、いろいろ揃えて来たのですが、この店欧米では「アイケア」と発音しまして、ゲイのカップルが同棲するときに全部IKEAで家具を揃えて部屋をバッチバチにリフォームし、安価で物凄くお洒落にする。というのが定番なので、要するに彼等は、あの優しい、高い声で「イエスウィライク<アイケア>」というので、そうかゲイの人は目の健康に気を配っているのだな、いつでもブルーベリーでも喰っているんだろうと思っていた訳です。なのでマネージャーと二人で「椅子はこれにしよう」とか言いながら、微妙に面白かった訳ですが、何かこう、ヤバビルなのに中に入るとIKEAだというおかしな事に成っているので、もうこうなったらフランシス・ピカビアの「ブルドッグと女たち」の実物を購入して飾ってやろうかなと思っていますが、あれが一体いくらなのか、というかそもそも今ポンピドゥーなので(確か)、買わせてくれるかどうか解りません。
買わせてくれるかどうなのか繋がり、ではありませんが「個人事務所の代表になったんだから」シリーズの、一番凄い奴が、生まれて初めてクレジット・カードちゅうもんを作りまして、これがまあ本当に、オトボケなしのガチがガチガチなのですが、ワタシ、いまひとつこの、キラキラ輝く物体の意味が良く分かっていません(ので、今まで一回も持った事がありませんでした。ワタシが一括で買った、過去最高金額の買い物は約400万円でしたが、当時、確か銀行にATMの上限が無く、一回で卸して、そのまま支払ったと思います)。
なんでも、金を使えば使うほどポイントが溜まるそうで、ワタシは、おそらく世界中のジャズメン平均で、と限定する限りにおいては、かなり金遣いが激しい方ですから、何か買う都度にポイントが溜まるから、オマエはコレで物を買った方が良いと言われても一言も無いのですが、やはり48歳にもなってカード童貞が破られたということで、先ずはレストランの支払いをおそるおそるカードにしてみたのですが、いけ図々しいというかやはり金融というヌエは恐ろしいというか、一回使ってみるとコレが快感以外の何物でもなく「何で今までコレを持たなかったのだろうか。風の噂によれば、破産するまで使って、沖縄に逃げれば大丈夫だというらしいではないか。素晴らしすぎる。ああカードが使いたい。カードで支払って支払って、支払い倒したい、今すぐにでも!!ああ!!買えば買うほど金が貯まるなんて!!!」というミュージカルの台詞のごとき発想が、どんなに理知の力を振り絞ってもまったく消えなく成り、「ドラッグだよこれ、絶対ドラッグ」とゲラゲラ笑いながら、本日も紙/貨幣は1円たりとも使わずに過ごしまして、数年前から一貫して、インターネットが最も安価で強烈なドラッグであると発言し続け、一回ムチャクチャにハマったものの、恐ろしく成って嗜む程度にしたという経験を持っている身ですが、もっとずっと古くて効くのがあるよーんという、こんなんがまだあったんですよ的な、古典は強いなあどの世界でも的な恐怖と快感に打ち震えています。
とはいえまあ、恐らく、今年いっぱいで個人預金を全部使ってしまう程度の事をしてから後、スローダウンするのでしょうけれども、何れにせよ50絡みに成りますと、若い頃の様に、命を落としそうに成るほどに何かにハマるという事も無く成りまして、もう一生ハマったままだろうなと思うのは、なんて事はない、音楽と書物と飲食だけですね、どれも出す方にも出される方にも成る両刀使いです。人間には耐性とか免疫とか適性とかいった構造があり、どんなにハマっても自分も他者も痛めつけないどころか有益で、というかむしろ、それに依存する事でしか生きて行けない、つまり宗教用語で言う所の、日々の勤めといった物がありまして、それが音楽と書物と飲食なのだなあと思うばかりです。
色の道は一生、などと仰る粋人もいらっしゃいますが、恋やセックスも、これはオッサン臭い上に、非常に鼻にかかる台詞に成りますが、ワタシが言うのであらばむしろ同情して頂けるのではないかと(ワタシを昔から良く知る方であればあるほど)信ずるものでありますが、おそらくもう一生分、いや、三生分ぐらいはしたので、もう、これ以上これにハマったらこの場で死んでしまう。という切実な状況を500回ぐらい経験しておりますので(ワタシは丁度10年前に精神分析治療を受けた経験がありますが、後から考えれば、そのうち30%ほどは、病的なセックス&フェティシズム&恋愛依存の治療だったのではないかと思っています)、少なくともここ歌舞伎町に来てからは、もう、いや俺はいいよ、そっちでおやりよ好きな様に。遠慮しないで。解ってますよどんなに愉しいかは。オレ?いいのいいの、そうそうそれ、草食。といった塩梅で、奇麗なお嬢さんや艶っぽいお姉さま方は皆さま戦友お友達でありまして、というか、総てが音楽に収斂されて行きますね。あれだけセクシーで知的な物は地球上に無いですやはり。そちらに人生を掛けて勤しんでいらっしゃる方には申し訳ない物言いに成りますが、建築だの学問だの文学だのは、お話しに成らないです。ワタシが朝起きて、いろいろやってからこう、部屋の外に出る訳ですが、その時まず最初にする事は、エレヴェーターの壁をポリリズムで叩きまくる事です(「まくる」といっても、大音量は出しませんよ。闇雲にぶっ叩いたら、止まりますからアレ)。
ですから音楽が飲食の側面まで持ったら、つまり、演奏したりレコードを聴いたりしていれば、カロリーが出て行くだけでなく入ってくる、という事になれば、ワタシは恐らく日々のワインとパンも止めるでしょう。こればかりはどうしようもない。当欄読者の中に発明家がいらして「演奏した事が、喰った事に成るソーセージ」みたいのを開発してくだすったら、ワタシの人生は再び変わるでしょう。
とまあ、この文章のテーマはですね、「<一度やってみて、一時期けっこうやったけど、もう今は、あんまやってないなあ>という文章を読む機会がめっきり減ってませんか最近皆さん」というもので(笑)、これが無い社会はダメだとまでは申しませんが、何でしょうか、寿司くったあとに飲みたく成る水みたいなもんで、乾きがあるんですね今のワタシには。おそらくこの話、心身にとても良いのに、皆さん忘れてしまわれてると思うんですよね。つまり、栄養があって旨いのに捨てちゃってる、江戸時代の中落ちみたいな事になっちゃってるのではないかと。大勢で集まって、飲み食いしながら<一度やってみて、一時期けっこうやったけど、もう今は、あんまやってない>話だけを延々とし続ける「<一度やってみて、一時期けっこうやったけど、もう今は、あんまやってない>会」みたいのをしたいです。と、再来週辺りのラジオで言おうと思っています。それではまた。
<今日買った古本>
長年探していたブツが同じ日に二冊も手に入ったので嬉しいです。どちらもかなりヤバい本です。次のジャズドミューンでお披露目したいと思います。
「神田川料理道場/メッタ斬り家庭料理」神田川俊郎
「エピュキュリアン料理」川上源一
<因にケンイシイさんとのコラボは>
下手すっと物すげえ期待されている御仁もいらっしゃるかも知れず、ガッカリされぬよう予めお断り申し上げておきますが、ワタシは、中学生のブラスバンド部員でも吹ける様な、簡単で短いフレーズ4つぐらい提供しているだけなので、「あ。。。。今の。。。が。。キクチ」といったような塩梅です。モチロン音楽というのは量的換算ではないですから、トラック全体はカッコいいです。とはいえそういう感じではあるので、あんま「菊地成孔とのコラボ」は期待せずに、イシイさんの久しぶりの新作としてお聴きに成るのがよろしかろうかと思います(言うまでもないですがこれはまったくdisではないです。これはコラボでもfeutでもなく、ワタシは素材を提供しに行ったと考えています)。